高血圧を対象とした治験(臨床試験)は、開発中の新しい降圧薬や、既存薬の新しい使い方などについて、実際に高血圧の方に協力いただきながら、有効性と安全性を確認するために行われています。健康な方を対象とした「健常人試験」とは異なり、高血圧であることそのものが参加の前提になります。
ぺいるーとでは、全国で募集されている高血圧を対象とした治験・モニター情報を掲載しています。このページでは、参加できる方の条件、開発が進む新しい治療薬、参加前に確認しておきたい注意点、よくある質問までをまとめています。
高血圧の治験の主な参加条件(過去の募集例)
- 18歳以上、または20〜69歳など年齢条件が設定される試験が中心
- 降圧薬を服用中の方を対象とする試験と、未治療で血圧が高めの方を対象とする試験の両方がある
- 収縮期血圧が一定の基準(例:140mmHg以上など)を満たすことが条件になることが多い
- 指定医療機関への定期的な通院が可能な方が対象(通院型が中心)
※試験ごとに条件は異なります。実際の条件は各募集情報をご確認ください。
目次
高血圧を対象とした治験とは
高血圧を対象とした治験は、新しい降圧薬の候補や、既存の薬の新しい組み合わせ・使い方について、実際に高血圧の方に参加いただいて評価する臨床試験です。血圧の測定、採血、問診などを通じて、薬の効果や安全性、体への影響が計画にそって確認されます。
健康な方を対象とした健常人試験と違い、高血圧の治験は「高血圧であること」が参加の前提です。そのため、ふだん降圧薬を服用している方や、未治療で血圧が高めの方も、試験によっては参加の対象になります。多くは通院型で、指定された医療機関へ定期的に来院する形で進みます。検査や治験薬にかかる費用は、製薬企業が負担する仕組みになっています。
高血圧は、糖尿病・睡眠時無呼吸症候群(SAS)・肥満症などと重なって見られることがあり、これらを合わせて対象とする試験もあります。関連する治験については、それぞれのページもご覧ください。
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高血圧の治験で開発されている新しい治療薬・治療法
高血圧の治療では、すでに多くの薬が使われていますが、より効果的な治療や、副作用・服薬の負担を減らす工夫を目指して、現在も新しい治療薬・治療法の研究が進められています。高血圧の治験では、次のような領域が扱われることがあります。
既存の降圧薬の新しい配合・用法を確認する試験
ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)、Ca拮抗薬、利尿薬、ACE阻害薬といった既存の降圧薬について、新しい配合剤や用量、服用方法を検討する試験があります。複数の薬を1錠にまとめる配合剤などは、服薬の続けやすさの改善を目的に研究されることがあります。
新しい作用の仕組みをもつ薬の試験
従来とは異なる仕組みで血圧に働きかける薬の候補についても、研究が進められています。こうした新しい候補薬は、まだ承認されていない段階で、治験を通じて有効性と安全性が確認されます。
効果が得られにくい高血圧を対象とした試験
複数の降圧薬を使っても血圧が下がりにくい、いわゆる治療抵抗性の高血圧を対象とした試験もあります。薬による試験のほか、医療機器(デバイス)を用いた治療法を検討する試験が行われることもあります。
参加できる方の例
高血圧の治験で対象となる方は、試験の目的によってさまざまです。過去の募集では、以下のような条件が見られました。
年齢
「18歳以上」「20〜69歳」など、年齢の範囲が定められていることが一般的です。65歳以上の方を対象とする試験もあります。
治療の状況(服薬中・未治療)
降圧薬を服用中の方を対象とする試験と、未治療で血圧が高めの方を対象とする試験の両方があります。2剤以上の降圧薬を使っても効果が十分でない方を対象とした試験もあります。
血圧の基準
収縮期血圧が一定の基準(例:140mmHg以上、150mmHg以上など)を満たすことが条件になることがあります。基準値は試験ごとに異なります。
通院
多くは通院型のため、指定された医療機関へ平日の日中などに定期的に来院できることが条件になります。
過去の募集で多かった参加条件の傾向
- 降圧薬を服用中で、血圧が目標値まで下がりきっていない方
- 未治療で、収縮期血圧が一定の基準(例:140〜150mmHg以上)を超えている方
- 2剤以上の降圧薬を使用しても効果が不十分な方(治療抵抗性)
- 65歳以上で、高血圧の治療を継続している方
- 高血圧に加え、糖尿病・腎臓病などの合併症がある方を対象とする試験
- 指定医療機関へ、平日の日中などに定期的に通院できる方
※あくまで過去の募集に見られた傾向です。現在募集中の条件は各試験ごとに異なります。
参加できない場合がある例
次のような場合は、試験の対象外となったり、参加できないことがあります。これも試験ごとに基準が異なります。
・血圧が極端に高い、または管理が難しい状態にある場合
・心臓・腎臓・肝臓などに重い病気がある場合
・他の治験に参加中、または直前に参加していた場合
・妊娠中、授乳中の場合、または妊娠の可能性がある場合(試験により)
・試験で使う薬の成分に対してアレルギーがある場合
参加の可否は、事前の検査(スクリーニング)や問診をふまえて医療機関が判断します。気になる持病や服用中の薬がある場合は、応募時・診察時に正確に伝えることが大切です。
治験に参加するメリット
定期的な検査・血圧の評価が受けられる
試験期間中は、計画にそって血圧測定や採血などの検査が定期的に行われます。自分の血圧の状態を、ふだんより細かく把握する機会になります。
開発中の新しい治療薬を使う機会がある
まだ一般には使われていない、開発段階の治療薬を使う試験に参加できる場合があります(試験によってはプラセボが使われることもあります。後述の注意点をご確認ください)。
負担軽減費が支払われる場合がある
治験参加にともなう通院などの負担に対して、負担軽減費が支払われることがあります。これは労働の対価(報酬)ではなく、参加にかかる負担を軽くするためのものです。金額や支払い方法は試験ごとに異なります。
新しい治療の発展に協力できる
治験は、将来の高血圧治療をよりよくするための研究です。参加することで、新しい治療薬・治療法の開発に協力することになります。
治験で確認されること
高血圧の治験では、計画にそって次のような項目が確認されます。試験によって内容は異なります。
・診察室での血圧測定、家庭での血圧測定、24時間血圧測定(ABPM)など
・採血・採尿による検査
・現在の症状、既往歴、服用中の薬などの問診
・治験薬の服用状況の確認
・体調の変化や副作用の有無
これらは、治験薬の効果や安全性を正しく評価するために行われます。
治験参加の流れ
治験は、会員登録・応募から始まり、説明・同意(インフォームド・コンセント)、事前検査(スクリーニング)を経て参加が決まり、治験開始後は計画にそって通院する、という流れで進みます。各ステップの詳しい内容は、こちらのページでまとめています。
費用・負担軽減費について
治験で使う治験薬や、治験のために行う検査の費用は、製薬企業が負担する仕組みになっています。また、通院などの負担に対して負担軽減費が支払われることがあります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
治験は、新しい薬や治療法の開発を支える重要なボランティア活動ですが、一般的なボランティアとは異なり、「報酬」が得られる点もその大きな魅力のひとつとなっています。 なお、治験で支払われるお金は「謝礼」や「謝礼金」と表現されることもありますが、この記事では「報酬」という言葉で統一して説明します。 ...
治験参加前に確認すべき注意点
主治医に相談する
すでに高血圧で通院・治療している場合は、治験への参加を検討していることを主治医に伝え、相談しておくと安心です。
降圧薬を自己判断で中断しない
「治験に参加するために」と考えて、服用中の降圧薬を自己判断で急に止めることは危険です。薬の調整が必要な場合は、必ず医療機関の指示にしたがってください。
プラセボが使われることがある
試験によっては、有効成分を含まないプラセボ(偽薬)が使われ、どちらが投与されるか参加者・医師ともにわからない形で進むことがあります。これは薬の効果を正しく確かめるための方法です。
副作用の可能性がある
治験薬は開発段階のため、予期しない副作用が起こる可能性があります。体調の変化があった場合は、すぐに医療機関へ伝えてください。リスクについてはこちらの記事も参考になります。
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途中でやめることができる
治験は本人の自由意思による参加です。参加に同意したあとでも、理由を問わず、いつでも参加をやめることができます。
治験参加者の体験談
実際に治験に参加した方の体験談は、参加前の不安を整理するうえで参考になります。応募から通院までの流れや、当日の様子などを知ることができます。

高血圧の治験を探す
ぺいるーとでは、高血圧を対象とした治験・モニター情報を掲載しています。地域や条件は試験ごとに異なるため、気になる募集があれば各案件の詳細をご確認ください。
よくある質問
Q. 降圧薬を飲んでいても参加できますか?
降圧薬を服用中の方を対象とする試験は多くあります。一方で、未治療の方を対象とする試験もあります。服用中の薬の種類や数が条件になることもあるため、応募時に現在の服薬状況を正確に伝えてください。
Q. 血圧がどのくらいから対象になりますか?
収縮期血圧が140mmHg以上、150mmHg以上など、試験ごとに基準が定められています。基準を満たすかどうかは、事前の検査で確認されます。
Q. 通院はどのくらいの頻度ですか?
通院の回数や間隔は試験によって異なります。数週間ごとの通院が、数か月にわたって続く試験が多く見られます。各募集情報で通院の目安を確認できます。
Q. 65歳以上でも参加できますか?
年齢の上限は試験ごとに異なります。65歳以上の方を対象とする試験もありますので、年齢条件を各募集情報でご確認ください。
Q. プラセボ(偽薬)が使われることはありますか?
試験によっては、有効成分を含まないプラセボが使われることがあります。どちらが投与されるかは、効果を正しく評価するため、わからない形で進められることがあります。
Q. 途中でやめることはできますか?
できます。治験は自由意思による参加のため、同意後でも、理由を問わずいつでもやめることができます。
Q. 謝礼がもらえると聞きましたが?
治験参加にともなう通院などの負担に対して、負担軽減費が支払われることがありますが、これは労働の対価(報酬)ではありません。金額や支払い方法は試験ごとに異なります。
Q. 糖尿病など他の病気があっても参加できますか?
高血圧に加えて糖尿病や腎臓病などをお持ちの方を対象とする試験もあります。一方で、特定の合併症が除外条件になる試験もあります。持病については正確に申告してください。
Q. 血圧が高めだと、健常人試験(健康な方対象の治験)には参加できませんか?
健康な方を対象とした健常人試験では、血圧を含む検査基準が定められており、血圧が高めの場合は対象外となることがあります。健常人試験ではスクリーニング検査(血液検査・問診・既往歴の確認など)が厳密に行われ、既往歴や状態を隠して応募することは契約違反にあたり、健康被害のリスクもあるため推奨されません。血圧が高めの方や高血圧の診断がある方は、健常人試験ではなく、高血圧を対象とした治験への参加が選択肢となります。
Q. 高血圧があると、健常人治験には一切参加できないのですか?
健常人治験は、原則として既往歴・現病歴のない健康な方を対象としています。高血圧の診断や治療歴がある場合は、基本的に健常人治験の対象外です。ただし、高血圧の方を対象とした治験は別に募集されているため、そちらが参加の選択肢になります。
本ページについて
本ページは、高血圧を対象とした治験について、参加を検討される方が情報を整理できるよう、株式会社エディハスが運営する治験参加者募集サイト「ぺいるーと」が制作・編集しています。
本ページの内容は、治験参加の判断に役立つ一般的な情報の提供を目的としており、特定の治療を推奨したり、診断・治療を行うものではありません。治療に関する判断は、必ず医療機関にご相談ください。
参考文献
・日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」
・厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」
・独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「治験について」
・jRCT(臨床研究等提出・公開システム)
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