慢性便秘症の治験|参加条件・募集中の試験・新薬情報を解説

慢性便秘症を対象とした治験(臨床試験)は、開発中の新しい便秘治療薬や、既存薬の新しい使い方などについて、実際に慢性便秘症の方に協力いただきながら、有効性と安全性を確認するために行われています。健康な方を対象とした「健常人試験」とは異なり、慢性便秘症であることそのものが参加の前提になります。

ぺいるーとでは、全国で募集されている慢性便秘症を対象とした治験・モニター情報を掲載しています。このページでは、参加できる方の条件、開発が進む新しい治療薬、参加前に確認しておきたい注意点、よくある質問までをまとめています。

慢性便秘症の治験の主な参加条件(過去の募集例)

  • 便秘の症状が一定期間(例:6か月以上など)続いている方が対象になることが多い
  • 自発的な排便の回数が少ない(例:週3回未満など)方
  • 市販薬や処方された便秘薬を使っても、十分な効果が得られていない方
  • 18歳以上、または成人を対象とする試験が中心
  • 指定医療機関への定期的な通院が可能な方(通院型が中心)

※試験ごとに条件は異なります。実際の条件は各募集情報をご確認ください。

目次

慢性便秘症を対象とした治験とは

慢性便秘症を対象とした治験は、新しい便秘治療薬の候補や、既存の薬の新しい使い方について、実際に慢性便秘症の方に参加いただいて評価する臨床試験です。排便の回数や便の状態、症状の変化、薬の安全性などが、計画にそって確認されます。

慢性便秘症は、単に排便回数が少ないだけでなく、便を十分かつ快適に出せない状態が続き、日常生活に支障が出ている状態を指します。健康な方を対象とした健常人試験と違い、慢性便秘症の治験は「慢性便秘症であること」が参加の前提です。多くは通院型で、指定された医療機関へ定期的に来院する形で進みます。検査や治験薬にかかる費用は、製薬企業が負担する仕組みになっています。

慢性便秘症の治療段階と治験の位置づけを示す図

治験がどのような研究なのか、臨床研究・臨床試験との違いやフェーズについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

慢性便秘症の治験で開発されている新しい治療薬・治療法

慢性便秘症の治療では、すでにいくつかのタイプの薬が使われていますが、より効果的な治療や、続けやすさの改善を目指して、現在も新しい治療薬の研究が進められています。慢性便秘症の治験では、次のような領域が扱われることがあります。

便を軟らかくする薬・腸の動きに働きかける薬の試験

浸透圧性下剤や、腸の水分分泌・運動に働きかける薬(上皮機能変容薬など)について、新しい候補や用法を検討する試験があります。

新しい作用の仕組みをもつ薬の試験

胆汁酸の再吸収に関わる仕組みなど、従来とは異なる経路に働きかける薬の候補についても研究が進められています。こうした候補薬は、まだ承認されていない段階で、治験を通じて有効性と安全性が確認されます。

配合・剤形・用法を検討する試験

服用のしやすさや続けやすさの改善を目的に、剤形や用法を検討する試験が行われることもあります。

参加できる方の例

慢性便秘症の治験で対象となる方は、試験の目的によってさまざまです。過去の募集では、以下のような条件が見られました。

症状が続いている期間

便秘の症状が一定期間(例:6か月以上など)続いていることが条件になることがあります。

排便の回数

自発的な排便の回数が少ない(例:週3回未満など)ことが目安になる試験があります。基準は試験ごとに異なります。

これまでの薬の効果

市販薬や処方された便秘薬を使っても十分な効果が得られていない方を対象とする試験があります。

年齢・通院

18歳以上、または成人を対象とする試験が中心です。多くは通院型のため、指定された医療機関へ定期的に来院できることが条件になります。

過去の募集で多かった参加条件の傾向

  • 便秘の症状が6か月以上など、慢性的に続いている方
  • 自発的な排便回数が少なく、残便感や便の硬さに悩んでいる方
  • 市販薬・処方薬を使っても効果が不十分な方
  • 腸の腫瘍・閉塞など、他の原因による便秘ではないことが確認できる方
  • 指定医療機関へ、定期的に通院できる方

※あくまで過去の募集に見られた傾向です。現在募集中の条件は各試験ごとに異なります。

参加できない場合がある例

次のような場合は、試験の対象外となったり、参加できないことがあります。これも試験ごとに基準が異なります。

・腸の腫瘍・炎症・閉塞など、他の病気が原因の便秘である場合
・消化器に重い病気や手術歴がある場合
・他の治験に参加中、または直前に参加していた場合
・妊娠中、授乳中の場合、または妊娠の可能性がある場合(試験により)
・試験で使う薬の成分に対してアレルギーがある場合

参加の可否は、事前の検査(スクリーニング)や問診をふまえて医療機関が判断します。気になる持病や服用中の薬がある場合は、応募時・診察時に正確に伝えることが大切です。

治験に参加するメリット

定期的な検査・症状の評価が受けられる

試験期間中は、計画にそって排便状況や症状の評価、検査が定期的に行われます。自分の便通の状態を、ふだんより整理して把握する機会になります。

開発中の新しい治療薬を使う機会がある

まだ一般には使われていない、開発段階の治療薬を使う試験に参加できる場合があります(試験によってはプラセボが使われることもあります。後述の注意点をご確認ください)。

負担軽減費が支払われる場合がある

治験参加にともなう通院などの負担に対して、負担軽減費が支払われることがあります。これは労働の対価(報酬)ではなく、参加にかかる負担を軽くするためのものです。金額や支払い方法は試験ごとに異なります。

新しい治療の発展に協力できる

治験は、将来の慢性便秘症治療をよりよくするための研究です。参加することで、新しい治療薬・治療法の開発に協力することになります。

治験で確認されること

慢性便秘症の治験では、計画にそって次のような項目が確認されます。試験によって内容は異なります。

・自発的な排便の回数や、便の状態(硬さなど)の記録
・症状日誌(おなかの張り、残便感、いきみなど)の記入
・採血・採尿などの検査
・現在の症状、既往歴、服用中の薬などの問診
・治験薬の服用状況の確認
・体調の変化や副作用の有無

これらは、治験薬の効果や安全性を正しく評価するために行われます。

治験参加の流れ

治験は、会員登録・応募から始まり、説明・同意(インフォームド・コンセント)、事前検査(スクリーニング)を経て参加が決まり、治験開始後は計画にそって通院する、という流れで進みます。各ステップの詳しい内容は、こちらのページでまとめています。

費用・負担軽減費について

治験で使う治験薬や、治験のために行う検査の費用は、製薬企業が負担する仕組みになっています。また、通院などの負担に対して負担軽減費が支払われることがあります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

治験参加前に確認すべき注意点

主治医に相談する

すでに便秘で通院・治療している場合は、治験への参加を検討していることを主治医に伝え、相談しておくと安心です。

市販の便秘薬を自己判断で急にやめない

「治験に参加するために」と考えて、ふだん使っている便秘薬を自己判断で急にやめると、症状が悪化することがあります。薬の調整が必要な場合は、必ず医療機関の指示にしたがってください。

プラセボが使われることがある

試験によっては、有効成分を含まないプラセボ(偽薬)が使われ、どちらが投与されるか参加者・医師ともにわからない形で進むことがあります。これは薬の効果を正しく確かめるための方法です。

副作用の可能性がある

治験薬は開発段階のため、予期しない副作用(腹痛・下痢など)が起こる可能性があります。体調の変化があった場合は、すぐに医療機関へ伝えてください。リスクについてはこちらの記事も参考になります。

途中でやめることができる

治験は本人の自由意思による参加です。参加に同意したあとでも、理由を問わず、いつでも参加をやめることができます。

治験参加者の体験談

実際に治験に参加した方の体験談は、参加前の不安を整理するうえで参考になります。応募から通院までの流れや、当日の様子などを知ることができます。

慢性便秘症の治験を探す

ぺいるーとでは、慢性便秘症を対象とした治験・モニター情報を掲載しています。地域や条件は試験ごとに異なるため、気になる募集があれば各案件の詳細をご確認ください。

よくある質問

Q. 市販の便秘薬を使っていても参加できますか?

市販薬や処方薬を使っても効果が不十分な方を対象とする試験は多くあります。使用中の薬の種類が条件になることもあるため、応募時に現在の服薬状況を正確に伝えてください。

Q. 便秘がどのくらい続いていれば対象になりますか?

6か月以上など、症状が一定期間続いていることが条件になる試験があります。期間の基準は試験ごとに異なります。

Q. 排便が週に何回くらいだと対象ですか?

自発的な排便が週3回未満など、回数が少ないことが目安になる試験があります。基準は試験ごとに定められています。

Q. 通院はどのくらいの頻度ですか?

通院の回数や間隔は試験によって異なります。数週間ごとの通院が、一定期間続く試験が多く見られます。各募集情報で通院の目安を確認できます。

Q. 過敏性腸症候群(IBS)でも参加できますか?

便秘型の過敏性腸症候群などを対象とする試験もありますが、慢性便秘症の試験では別の病気が除外条件になる場合があります。診断を受けている病気については正確に申告してください。

Q. プラセボ(偽薬)が使われることはありますか?

試験によっては、有効成分を含まないプラセボが使われることがあります。どちらが投与されるかは、効果を正しく評価するため、わからない形で進められることがあります。

Q. 途中でやめることはできますか?

できます。治験は自由意思による参加のため、同意後でも、理由を問わずいつでもやめることができます。

Q. 謝礼がもらえると聞きましたが?

治験参加にともなう通院などの負担に対して、負担軽減費が支払われることがありますが、これは労働の対価(報酬)ではありません。金額や支払い方法は試験ごとに異なります。

Q. 健康食品モニターと、薬の治験は違うものですか?

便秘に関する募集には、開発中の薬を評価する治験のほか、特定保健用食品(トクホ)などの健康食品モニターもあります。目的や流れが異なるため、各募集情報で内容をご確認ください。

Q. 慢性便秘症があると、健常人治験には参加できないのですか?

健常人治験は、原則として既往歴・現病歴のない健康な方を対象としています。慢性便秘症の診断や治療歴がある場合は、基本的に健常人治験の対象外となることがあります。慢性便秘症の方を対象とした治験は別に募集されているため、そちらが参加の選択肢になります。応募時には、現在の症状や服用中の薬を正確に申告してください。

本ページについて

本ページは、慢性便秘症を対象とした治験について、参加を検討される方が情報を整理できるよう、株式会社エディハスが運営する治験参加者募集サイト「ぺいるーと」が制作・編集しています。

本ページの内容は、治験参加の判断に役立つ一般的な情報の提供を目的としており、特定の治療を推奨したり、診断・治療を行うものではありません。治療に関する判断は、必ず医療機関にご相談ください。

参考文献

・日本消化管学会「便通異常症診療ガイドライン(慢性便秘症)」
・厚生労働省 e-ヘルスネット「便秘と食習慣」
・独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「治験について」
・jRCT(臨床研究等提出・公開システム)

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