「健康診断でBMIや内臓脂肪を指摘された」
「食事療法・運動療法を続けても十分な減量効果が得られない」
「肥満症や生活習慣病と診断された」
──そんな方を対象とした治験が、全国の医療機関で募集されています。ぺいるーとでは全国で現在募集中の肥満症の治験・臨床試験モニターを掲載しています。
肥満症治験で多い参加条件の例
- BMI25以上の方
- 18歳〜65歳程度
- 高血圧・脂質異常症・2型糖尿病などの生活習慣病や、変形性膝関節症などを合併している方
- 通院または短期入院が可能な方
※実際の参加条件は治験ごとに大きく異なります。各案件の詳細をご確認のうえお申し込みください。
目次
肥満症を対象とした治験とは

「肥満」と「肥満症」は、似たように使われる言葉ですが、医学的にはまったく異なる概念として扱われます。
日本肥満学会の定義では、BMI(体格指数)が25以上の体型を「肥満」と呼びますが、これだけでは病気ではなく、治療の対象にもなりません。一方の「肥満症」は、肥満に加えて健康障害(合併症)を1つ以上有するか、または将来的に健康障害が起こりやすい内臓脂肪型肥満の状態にある場合に診断される、医学的に減量治療を必要とする疾患です。
つまり「肥満症」とは、太っているだけの状態ではなく、減量によって改善できる疾患を抱えている状態を指します。世界的にも肥満症は治療の対象として位置付けられており、新しい治療薬の開発が活発に進められています。
治験(臨床試験)は、こうした新しい治療薬の有効性と安全性を確認するために、製薬企業や医療機関が実施する研究です。肥満症を対象として国内外で複数の治験が実施されることがあり、参加には医師による厳格な適格性確認が必要です。
BMI値の具体的な計算方法や、治験参加時のBMI条件については下記の治験とBMIのページで計算ツールとともに詳しく解説しています。
身長(cm)と体重(kg)を入力してください。 治験(臨床試験)に応募すると、多くの場合「BMI」の条件を目にします。BMI(Body Mass Index)は身長と体重から算出される体格指数で、計算式は次のとおりです。 BMIの計算式 BMI = 体重(kg) ÷ 身...
肥満症の治験で開発されている新しい治療薬
肥満症の治療薬は、近年もっとも開発が進んでいる領域の一つです。ぺいるーとに寄せられる治験募集情報の中でも、肥満症関連の試験は年々増加傾向にあります。

皮下注射型の肥満症治療薬
もともと2型糖尿病の治療薬として開発された薬剤の中に、食欲抑制と体重減少の効果を持つものがあります。これらをベースに、肥満症治療薬として再設計された薬剤の治験が国内外で進められています。週1回の自己注射で投与するタイプが主流で、代表的なものにGLP-1受容体作動薬や、より新しいGIP/GLP-1受容体作動薬があります。
内服タイプの肥満症治療薬
注射ではなく経口投与できる肥満症治療薬の開発も進んでいます。注射に比べて投与のハードルが低い点が特徴で、第Ⅰ相〜第Ⅲ相のさまざまな段階で治験が行われています。
生活習慣病合併型の通院治験
肥満症は単独で募集されるよりも、2型糖尿病・脂質異常症・高血圧などの生活習慣病と合わせた治験として募集されるケースが多くあります。これらの試験では、肥満症と生活習慣病の両方を治療する複合的な視点から、新薬の効果が評価されます。通院型が中心で、来院回数は試験によって異なりますが、月1〜2回程度の通院を半年〜1年以上かけて行うものが一般的です。
高度肥満症を対象とした治験
BMIが特に高い高度肥満症の方を対象とした治験もあります。すでに食欲抑制薬の処方を受けている方、外科的治療を検討している方が対象となる試験も含まれます。専門医療機関で実施されるケースが多く、参加条件は通常の肥満症治験より細かく設定されます。
既存薬の追加データを取る治験(第Ⅳ相試験)
すでに承認されている肥満症治療薬について、長期使用時の安全性や、特定の合併症を持つ患者での効果を改めて検証する試験(市販後臨床試験/第Ⅳ相試験)も行われています。新薬開発とは異なり、すでに使用実績のある薬剤を対象とした試験です。
試験のフェーズ(第Ⅰ相〜第Ⅳ相)ごとの違いについては治験の種類のページで詳しく解説しています。治験で使用される薬剤の詳細や承認状況については、日本肥満学会の肥満症診療ガイドラインの最新版や、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の情報をご参照ください。
ぺいるーとに掲載される「治験」「健康食品モニター」「化粧品モニター」は、法律上・制度上の位置づけが異なります。応募の前に「自分が参加する案件は、治験なのか、それ以外のモニターなのか」を整理しておくと、報酬の仕組みや参加のハードルを理解しやすくなります。 このページでは、参加者の視点から「治験」...
肥満症があると治験に参加できないと聞いた方へ
「肥満症があると、治験に参加できないのでは」というご質問をいただくことがあります。これは、治験の種類によって参加条件が大きく異なることが背景にあります。
治験には、大きく分けて「健康な方を対象とした健常人試験」と「特定の疾患を持つ方を対象とした試験」があります。BMIが高めの方や肥満症の診断がある方は、健常人試験には参加が難しいことが多い一方、肥満症対象の試験では、診断や状態がむしろ参加の前提となります。
健常人試験の場合
健常人試験は、健康な成人を対象に、新しい薬の安全性や体内での動きを確認する初期段階の試験です。多くの場合、BMIに上限が設けられたり、生活習慣病の治療中の方は参加できない条件が設定されています。入院型(宿泊を伴う)の試験が中心で、健康基準を満たす方のみが参加できます。
肥満症対象試験の場合
肥満症対象試験は、肥満症と診断された方や、BMIが一定以上の方を対象に、新しい治療薬の有効性や安全性を確認する試験です。BMIが高めであることがむしろ参加の前提となるため、健常人試験で対象外とされていた方でも、対象試験には参加できる可能性があります。通院型(外来通院)の試験が中心で、体重変化や血液検査値、自覚症状の変化などを継続的に評価することが多くなります。
肥満症の治験に参加できる方の例
肥満症の治験の参加条件は、試験ごとに細かく設定されますが、おおむね以下のような状態の方が対象になることが多いです。
- 肥満症と診断されている方
- 2型糖尿病・脂質異常症・高血圧などの生活習慣病をお持ちの方
- 食事療法・運動療法を一定期間行っても十分な減量効果が得られていない方
- 健康診断で内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)を指摘された方
- 肥満に伴う健康障害(睡眠時無呼吸症候群、変形性関節症など)でお悩みの方
事前の健康診断(スクリーニング)で重視されるポイントについては治験合格のコツのページでも解説しています。
過去案件で多かった参加条件の傾向
- BMI25以上、特にBMI27以上の方を対象とした試験が多数
- 2型糖尿病を合併する肥満症の方(合併型試験)
- 慢性的な膝の痛み(変形性膝関節症)を伴う肥満症の方
- 心疾患・心不全リスクのあるBMI25以上の方
- 腎機能が低めと指摘されたBMI27以上の方
- 腹圧性尿失禁を伴う肥満または過体重の方
- 18歳〜80歳、試験により対象年齢の幅は異なる
- 通院型が中心、3泊入院型や海外3か月入院型の試験も実施
- 札幌市白石区・北海道恵庭市・東京都など全国
肥満症の治験に参加できない場合がある例
肥満症の診断があっても、試験ごとの基準により参加が難しい場合があります。代表的な例をご紹介します。
- 妊娠中・授乳中の方、または近い将来妊娠を予定されている方
- 肥満に対する外科的治療を受けた方、または受ける予定の方
- 特定の重篤な疾患(コントロール不良の糖尿病、活動性の悪性腫瘍、重度の腎機能障害など)をお持ちの方
- 他の治験に現在参加している方、または直近に参加していた方
これら以外にも、試験ごとに細かい除外基準が定められています。条件に合うかどうかは、ご自身で判断される前に、ぺいるーとを通じてお問い合わせいただくか、実施医療機関でご相談ください。
肥満症の治験に参加するメリット
肥満症の治験に参加することには、新しい治療への協力という社会的意義に加えて、参加者ご自身にも複数のメリットがあります。
専門医による精密な検査・診察を受けられる
治験参加にあたっては、通常の外来診療よりも詳細な血液検査・画像検査・体組成測定などが行われます。肥満症や生活習慣病に詳しい専門医による診察・指導を受ける機会としても活用できます。
新しい治療法を試せる機会
まだ一般診療では使えない、開発段階の薬剤を試せる可能性があります。既存の治療で十分な効果が得られなかった方にとって、選択肢を増やす機会になります。
治験中の薬剤費・検査費の負担軽減
治験中に使用する薬剤や、治験のために行われる検査の費用は、製薬会社が一部または全額を負担する仕組みになっています。一般診療より自己負担を抑えながら治療を受けられるケースがあります。
負担軽減費(協力費)の受け取り
治験のために通院や入院をすると、その時間・交通費などへの負担を軽減する目的で、治験実施医療機関から「負担軽減費」が支払われます。金額は試験ごとに異なります。負担軽減費の仕組みや支払い時期、税金との関係について詳しくは治験と報酬のページをご参照ください。
治験は、新しい薬や治療法の開発を支える重要なボランティア活動ですが、一般的なボランティアとは異なり、「報酬」が得られる点もその大きな魅力のひとつとなっています。 なお、治験で支払われるお金は「謝礼」や「謝礼金」と表現されることもありますが、この記事では「報酬」という言葉で統一して説明します。 ...
肥満症の治験で確認されること
肥満症対象試験では、薬剤や治療法が体重・代謝・合併症にどの程度寄与するか、また安全に使用できるかを確認するため、さまざまな評価が行われます。試験によって項目は異なりますが、よく見られる評価例をご紹介します。
- 体重・BMI・体組成(体脂肪率・内臓脂肪面積など)の変化
- 血液検査(血糖値・HbA1c・脂質・肝機能・腎機能など)
- 血圧・心拍などのバイタルサインの推移
- 食事・運動・自覚症状の記録(質問紙や日誌)
- QOL(生活の質)の変化
- 安全性に関する検査(心電図、画像検査など)
参加者の方には、来院時の検査・症状の記録・服薬の遵守などにご協力いただきます。
治験参加の流れ
ぺいるーと経由で肥満症の治験に参加する場合の基本的な流れは以下の通りです。
- 無料会員登録
- 募集中の試験への応募
- 実施医療機関での説明・同意
- 適格性確認のための検査(スクリーニング)
- 治験参加開始・定期通院
各ステップの詳細や、参加同意後の中止権利、事前健康診断の内容などは、モニター参加の流れページで解説しています。治験参加の基礎知識については 治験バイト入門 もあわせてご覧ください。
費用・負担軽減費について
治験参加にあたり、被験者ご自身の医療費負担は原則として発生しません。治験期間中の治験薬・検査・診察にかかる費用は、治験依頼者(製薬企業等)が負担します。加えて、通院時の交通費や時間的拘束への配慮として「負担軽減費」が支払われます。金額は試験内容(通院頻度、入院の有無、試験期間など)によって異なります。
治験は、新しい薬や治療法の開発を支える重要なボランティア活動ですが、一般的なボランティアとは異なり、「報酬」が得られる点もその大きな魅力のひとつとなっています。 なお、治験で支払われるお金は「謝礼」や「謝礼金」と表現されることもありますが、この記事では「報酬」という言葉で統一して説明します。 ...
治験参加前に確認すべき注意点
肥満症の治験に参加される前に、以下の点をご確認ください。
副作用とリスクについて
どのような薬剤でも、効果がある以上は副作用のリスクが伴います。肥満症治療薬の治験で報告される主な副作用には、吐き気・嘔吐・下痢などの消化器症状があります。これらは投与開始初期に起こりやすく、用量調整によって軽減されることが多いとされています。
治験に参加する前には、想定される副作用について医師から十分な説明を受けたうえで、納得した場合のみ同意書にサインする「インフォームドコンセント」のプロセスがあります。治験全般のリスクや過去の事例については治験のリスクのページで詳しく解説しています。
「治験で死亡事故はあったの?」 「治験の副作用で後遺症が残ることはあるの?」 「治験の高額な報酬は危険度が高いから?」 治験に対して、このような印象や疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。 日本では年間数万人規模の方が治験に参加していますが、多くの参加者は問題なく試験を終えてい...
治験参加中の生活上の注意
肥満症の治験では、薬剤の効果を正確に評価するため、治験期間中の食事・運動・生活習慣について一定のガイドラインが設けられることがあります。極端な食事制限や、新しい運動プログラムの開始は、治験のデータに影響するため避けるよう求められる場合があります。
また、すでに服用している薬がある場合は、治験への影響を避けるために一時的に休薬や変更が必要になることもあります。事前のスクリーニングで医師に相談してください。
プラセボ群になる可能性がある
試験デザインによっては、治験薬ではなくプラセボ(偽薬)を投与される群に割り当てられる可能性があります。
途中でやめることができる
治験への参加はあくまで自発的なものであり、参加後もいつでも理由を問わず中止することができます。中止しても、その後の医療や治療において不利益を受けることはありません。
治験参加者の体験談
治験への参加を検討される際、実際に参加された方の体験談を読むことは、不安や疑問の解消につながります。ぺいるーとでは、これまでの治験参加者の体験談を掲載しています。
参加までの流れ、検査の様子、通院の実際、感じた率直なご意見など、ホームページの説明だけでは伝わらない参加者目線の情報をご覧いただけます。
「治験の報酬は魅力的だけど、実際に参加した人はどう感じたんだろう?」 治験について詳しく知らないと、「高額=危険なのでは?」と不安に感じる方も少なくありません。さらに、ネット上には不安を煽る情報も多く、余計に心配になってしまうこともあります。 そこで、ぺいるーとでは、実際に治験や健康...
肥満症の治験を探す

世界的に新しい肥満症治療薬の開発が活発に進められており、ぺいるーとでも肥満症や生活習慣病を対象とした治験案件を継続的にご紹介しています。現在募集中の肥満症の治験は、下記のページからご覧いただけます。
各案件の詳細ページで、対象となる方の条件や負担軽減費、通院スケジュールをご確認いただけます。会員登録(無料)をされた方には、新しく募集が始まった試験のご案内や、条件に合う試験の情報をお送りすることができます。
肥満症の治験のよくある質問
Q. 肥満症と診断されていなくても参加できますか?
試験によります。「肥満症」として正式に診断を受けていない方でも、健康診断でBMIや内臓脂肪を指摘された経験があれば、事前スクリーニングで肥満症の基準を満たしているかを確認したうえで参加できる試験があります。一方、第Ⅲ相試験など参加条件が厳密な試験では、医療機関での診断書が必要になることもあります。
Q. すでに糖尿病や高血圧の薬を飲んでいますが参加できますか?
可能性があります。むしろ生活習慣病を合併している肥満症の方を対象とした治験は多く、すでに薬物治療を受けている方が参加できる試験も存在します。ただし、治験で使用する薬剤との相互作用を避けるため、一部の薬剤については休薬や変更が必要になることがあります。事前スクリーニングで担当医師に相談してください。
Q. 治験参加中もダイエットや運動を続けていいですか?
基本的には、治験開始前と同じ生活習慣を維持することが推奨されます。極端な食事制限や新しい運動プログラムの開始は、薬剤の効果評価に影響するため避けるよう指示されることが多いです。担当医師や治験コーディネーターから具体的なガイドラインが示されますので、それに従ってください。
Q. 肥満症の治験はどのくらいの期間続きますか?
試験のタイプによって大きく異なります。第Ⅲ相試験のような大規模試験では、参加開始から終了まで1年〜2年程度かかることが一般的です。通院回数は2〜4週間に1回程度、合計で20回前後になることもあります。短期間の生体内動態試験(第Ⅰ相試験)では、数日〜数週間で終わるものもあります。
Q. 負担軽減費はどのくらい受け取れますか?
試験ごとに大きく異なります。通院型の肥満症治験では1回の来院あたり数千円〜1万円程度が目安となるケースが多くありますが、案件によって幅があります。長期試験では合計金額が大きくなる場合もあります。具体的な金額は応募後の案件詳細でご確認ください。負担軽減費の詳しい仕組みは 治験と報酬 のページをご参照ください。
Q. 全国どこでも参加できますか?
ぺいるーとでは、全国の医療機関で実施されている肥満症関連の治験をご紹介しています。お住まいの地域から通院可能な医療機関での試験を中心にご案内します。
Q. 通院型と入院型、どちらが多いですか?
肥満症の治験は、通院型が多数を占めます。長期間の経過観察が必要なため、定期通院しながら参加するスタイルが基本です。入院を伴う試験は、薬剤の生体内動態を詳しく調べる初期段階(第Ⅰ相試験)に限られます。
Q. 治験は「バイト」感覚で参加してよいですか?
治験は新しい治療薬の有効性と安全性を確認するための臨床研究であり、アルバイトではありません。負担軽減費は、通院や検査にかかる時間的拘束への配慮として支払われるものです。被験者にも自由意思での参加・中止の権利があり、安全性に関する厳格な基準のもとで実施されます。
Q. 主治医に相談すべきですか?
推奨します。現在治療中の方は、治験参加が現在の治療にどう影響するかをかかりつけ医にご相談されることをお勧めします。
Q. 肥満症があると健常人治験には参加できませんか?
健常人を対象とした治験では、BMIの上限が設けられていたり、生活習慣病の治療中であることが参加条件に影響する場合があります。ただし、肥満症を対象とした治験では、BMIや診断歴がむしろ参加条件の一部になることがあります。条件は試験ごとに異なるため、各試験ページをご確認ください。
本ページについて
本ページは、ぺいるーとがこれまでに募集支援を行ってきた肥満症関連試験の実務経験、および日本肥満学会・厚生労働省・PMDA等の公開情報をもとに作成しています。
特定の治療薬・治療法を推奨するものではなく、また、特定の医療機関を案内するものでもありません。治験参加の可否や最終判断は、実施医療機関での説明・診察・検査をもとに医師が判断します。ご自身の治療方針については、必ず主治医にご相談ください。本ページの情報は、診察・診断に代わるものではありません。
参考文献
- 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン」(https://www.jasso.or.jp/)
- 厚生労働省「治験について」
- PMDA(医薬品医療機器総合機構)
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