喘息の治験|参加条件・募集中の試験・新薬情報を解説

「喘息の治験ってどんな内容?」
「自分は参加できるの?」
「子どもの喘息でも治験はあるの?」

喘息は日本国内で成人約800万人が罹患しているとされる代表的な慢性呼吸器疾患で、新しい吸入薬や生物学的製剤の開発が活発に進められている領域です。発作のコントロールが難しい方、毎日の吸入を続けても十分な効果を実感できない方を対象とした治験が、国内でも継続的に実施されています。

このページでは、ぺいるーとが過去に募集した実案件の傾向をもとに、喘息の治験の参加条件・実際の試験内容・参加判断のポイントを整理しました。大人の方の試験を中心に、小児喘息の治験についても解説しています。

このページのポイント

  • 喘息治験の対象は「健常人」ではなく「喘息と診断されている方」
  • 吸入ステロイドを継続使用中の方を対象とする試験が多い
  • 大人だけでなく、小児(4歳~)対象の試験も実施されている
  • 生物学的製剤(注射薬)の治験は、難治性・重症喘息の方が対象
  • 事前検査では呼吸機能検査(スパイロメトリー)と血液検査が中心

喘息を対象とした治験とは

喘息の治験は、現在使われている吸入薬・生物学的製剤・経口薬などに続く新しい治療薬の有効性と安全性を確認する臨床試験です。承認されている吸入ステロイド(ICS)や長時間作用性β2刺激薬(LABA)、ロイコトリエン受容体拮抗薬などに加え、より少ない頻度で投与可能な薬や、特定の重症度・タイプに合わせた治療薬の開発が進んでいます。

喘息の治験は健康な成人を対象とした第Ⅰ相試験とは異なり、すでに喘息と診断されている方を対象とした第Ⅱ相・第Ⅲ相試験が中心です。多くの場合、日常的に吸入薬を使用している方が対象になります。

喘息の重症度ごとに、治療と治験薬の位置付けはおおよそ以下のように整理できます。

喘息治療と治験薬の位置付け(重症度別):軽症から重症までの治療ステップと、治験薬が開発されている領域を整理した図

ぺいるーとで募集している、もしくは過去に募集した喘息関連の治験案件の一覧は、以下のタグページからご覧いただけます。

喘息の治験で開発されている新しい治療薬

現在国内外で実施されている喘息治験では、主に以下のような新薬・新治療法が検討されています。

生物学的製剤(注射薬)

IL-4・IL-5・IL-13・TSLP・IgEなどの炎症経路を標的とする抗体医薬。すでに承認されている薬剤(オマリズマブ、メポリズマブ、ベンラリズマブ、デュピルマブ、テゼペルマブなど)に加え、より長い投与間隔(6ヶ月に1回など)を目指した次世代品の治験が進行中です。中等症~重症喘息で吸入薬では十分にコントロールできない方が対象です。

新しい吸入薬・配合剤

ICS/LABA/LAMAの2剤または3剤配合吸入薬(トリプル療法)や、新しい作用機序を持つ吸入薬の治験が継続的に実施されています。デバイス(吸入器)の使いやすさや、1日1回投与の利便性を評価する試験もあります。

経口薬・新規メカニズム

JAK阻害薬や好酸球分化に関わる経路を狙った経口薬など、注射ではなく内服で効果を得られる治療薬の開発も進められています。

小児喘息向けの試験

4歳~11歳前後を対象とした小児喘息治験では、既存薬の小児への適応拡大や、小児で使いやすい剤形(吸入器・経口など)の評価が行われています。

喘息があると治験に参加できないと聞いた方へ

「健康な人向けの治験(健常人試験)に申し込んだら、喘息歴があって参加できなかった」というお話を聞かれた方もいらっしゃるかもしれません。

ジェネリック医薬品の治験や新薬の第Ⅰ相試験(健康な成人を対象とした泊まり込み試験など)では、喘息の既往がある方は基本的に除外されます。これは試験薬と喘息治療薬の相互作用や、試験中に発作が起こる可能性を避けるための安全上の措置です。健康な方を対象とする試験は、文字通り健康な方を対象としているため、喘息の診断や治療歴がある方には適しません。

一方で、喘息のある方は「喘息の治験(患者対象試験)」に参加できる可能性があります。患者対象試験は喘息の方を募集しているため、診断歴・吸入薬の使用歴は参加条件としてプラスに働きます。健常人試験で除外された方も、喘息治験では適格となるケースが少なくありません。

「喘息持ちだから治験に参加できない」のではなく、「参加できる試験の種類が違う」と理解しておくのが正確です。

喘息の治験に参加できる方の例

ぺいるーとが過去に募集した喘息治験案件の参加条件を整理すると、以下のようなパターンが多く見られます。

過去案件で多かった参加条件の傾向

  • 医師から喘息と診断され、12ヶ月以上経過している方
  • 現在、吸入ステロイド(ICS)またはICS/LABA配合剤を毎日使用している方
  • 1年以内に喘息症状の悪化(発作・救急受診・経口ステロイド使用など)があった方
  • 現在も喘息治療を継続しており、定期的に通院している方
  • 注射薬(生物学的製剤)治験では、難治性・重症喘息の方
  • 小児試験では、4歳~11歳前後で喘息治療中のお子さま

年齢の下限は18歳または20歳が一般的ですが、小児喘息試験では4歳前後から募集されることもあります。上限は試験により異なり、65歳~75歳が多い傾向です。

具体的な参加条件は試験ごとに細かく定められているため、関心のある試験ページで個別にご確認ください。

喘息の治験に参加できない場合がある例

以下のような状況の場合、安全性や試験の評価に影響するため、参加できないことがあります。

  • 過去1年以内に喘息以外の重い呼吸器疾患(COPD、間質性肺炎など)の診断を受けている方
  • 現在、喫煙されている方(試験により基準は異なります)
  • 長期間にわたり喫煙歴がある方(試験により異なります)
  • 過去◯ヶ月以内に経口ステロイドを長期間使用していた方(試験により基準が異なります)
  • すでに同種の生物学的製剤を使用中/使用歴がある方(試験により異なります)
  • 妊娠中、または妊娠の可能性がある方
  • その他、医師が参加に適さないと判断した方

「自分は参加できないのでは」と感じても、試験の対象条件は薬剤・フェーズ・実施医療機関によって大きく異なります。気になる試験があれば、まずご応募いただいた上でぺいるーとのスタッフがご案内します。

小児の喘息治験について

小児喘息(小児気管支喘息)は、日本小児アレルギー学会によれば、日本では約3〜14%の小児が罹患するとされる代表的な慢性疾患です。多くは思春期までに症状が軽快しますが、適切な治療管理が欠かせません。

ぺいるーとでは過去に、4歳~11歳のお子さまを対象とした喘息治験の募集を行ったことがあります。小児試験では以下のような点が大人の試験と異なります。

  • 保護者の同意(インフォームド・コンセント)と、お子さま本人のアセント(年齢に応じた説明と同意)の両方が必要
  • 採血量・通院頻度・検査内容が小児の負担を考慮した設計
  • 剤形(液剤・吸入器のサイズなど)が小児向け
  • 付き添いの保護者の同行が前提

小児試験はそもそも実施件数が大人の試験よりかなり少なく、募集タイミングも限られています。お子さまの喘息治験にご関心がある場合は、会員登録の上で募集情報をお待ちいただくのが現実的です。

喘息の治験で確認されること

喘息治験では、主に以下のような項目が評価されます。

  • 呼吸機能検査(スパイロメトリー):1秒量(FEV1)、努力肺活量(FVC)、ピークフロー値(PEF)など
  • 喘息コントロール状態:ACQ・ACTなどの質問票、夜間症状、発作頻度、救急受診の有無
  • 血液検査:好酸球数、IgE値、炎症マーカーなど(治験薬の対象タイプによる)
  • 呼気NO(FeNO):気道炎症の指標として測定する試験あり
  • 救急薬(SABA)の使用回数:症状コントロールの実態を評価
  • QOL質問票:日常生活への影響を評価

これらは通常の喘息診療でも一部行われている検査ですが、治験では通常診療よりも詳細かつ定期的に実施されます。日々の症状を記録するための電子日誌(eDiary)や、専用ピークフローメーターを使う試験もあります。

喘息の治験に参加するメリット

  • 通常診療より頻度の高い定期的な診察・検査を受けられる
  • 承認前の新しい治療薬(次世代の生物学的製剤・新規吸入薬など)にアクセスできる可能性がある
  • 治験期間中、関連する検査・治験薬・診察にかかる費用は治験依頼者が負担
  • 通院・検査にかかる時間や交通費の負担を軽減するため、規定の負担軽減費が支給される
  • 新しい治療法の確立に貢献できる

ただし、治験は「治療」ではなく「研究」であり、必ずしも症状が改善するとは限らない点には注意が必要です。プラセボ(薬としての成分を含まない試験用の薬)を投与される群に割り付けられる可能性もあります(試験デザインによる)。

治験参加の流れ

喘息治験への参加は、おおよそ以下のような流れで進みます。具体的な手順や持ち物については、ぺいるーとの会員登録後にご案内します。

  1. 会員登録・応募:気になる試験ページから応募フォームに進みます
  2. 事前確認:ぺいるーとスタッフから電話/メールで、参加可否の事前確認を行います
  3. 説明会・スクリーニング検査:実施医療機関で治験内容の詳細説明(インフォームド・コンセント)、呼吸機能検査・血液検査などを受けます
  4. 治験開始:参加が決まったら、試験スケジュールに沿って通院・治験薬の使用を開始
  5. 定期通院:試験ごとに定められたスケジュールで通院・検査・問診を継続
  6. 治験終了・後観察:投与終了後も、安全性確認のための後観察期間があります

詳しい流れは以下のページで解説しています。

費用・負担軽減費について

治験参加に伴う以下の費用は、治験依頼者(製薬会社など)が負担します。

  • 治験薬の薬剤費
  • 治験のために行われる検査・診察の費用(規定範囲内)

また、参加者の方には負担軽減費として、通院ごとに規定の金額が支給されます。これは「治験参加への対価(労働の報酬)」ではなく、通院に要する時間や交通費の負担を軽減するための費用です。金額は試験ごとに異なり、通院回数や検査の負担度合いに応じて設定されます。

治験参加前に確認すべき注意点

  • 通院スケジュール:喘息治験は数ヶ月~1年以上にわたる試験が多く、定期通院が必要です
  • プラセボの可能性:試験デザインにより、治験薬群/プラセボ群に割り付けられる場合があります
  • 救急薬の使用ルール:症状悪化時の救急薬(SABA)使用は記録対象になります
  • 併用禁止/制限薬:試験中に使用できない薬が定められている場合があります
  • 日誌記入:毎日の症状・救急薬使用回数・ピークフロー値などの記録が必要な試験があります
  • 中止する権利:参加後でも、ご自身の意思でいつでも中止できます

説明会(インフォームド・コンセント)でこれらの注意点が丁寧に説明され、納得した上で参加するか決定できます。疑問点はその場でいくらでも質問できますので、十分に理解した上でご判断ください。

治験参加者の体験談

実際に治験に参加された方の声を集めた体験談ページをご用意しています。喘息治験そのものの体験談ではない場合もありますが、治験参加の雰囲気・通院の様子・スタッフ対応などの参考になります。

喘息治験のよくある質問

健常人試験に喘息歴を申告せずに参加できますか?

できません。健常人試験では、応募時の問診と事前検査(採血・呼吸機能検査・既往歴の確認)で喘息歴は把握されます。仮に申告せずに参加した場合、試験薬と喘息治療薬の相互作用や、試験中の発作リスクが見過ごされ、健康被害につながる可能性があります。喘息のある方は、健常人試験ではなく喘息の患者対象試験にご応募いただくのが、安全かつ参加可能性も高い正しい方法です。

軽症の喘息でも参加できますか?

試験により異なります。中等症~重症の方を対象とした試験が多い一方で、軽症~中等症の方を対象とした試験も実施されています。具体的な重症度の基準(直近の発作頻度、吸入薬の種類、呼吸機能値など)は各試験で個別に定められています。

注射の治験(生物学的製剤)は怖いのですが?

生物学的製剤の治験は、すでに承認・市販されている類似薬と同様、皮下注射が中心です。多くの場合、医療機関での投与か、自宅での自己注射(看護師による指導後)の形式です。スクリーニング段階で薬剤の作用機序・副作用・投与方法について十分な説明があり、ご納得いただいた上で参加可否を判断いただけます。

子どもの喘息でも治験はありますか?

はい、ぺいるーとでも過去に4歳~11歳のお子さまを対象とした喘息治験を募集しました。ただし小児試験は大人の試験より実施件数が少なく、募集タイミングも限定的です。会員登録(保護者の方)の上で、募集情報をお待ちいただくことをおすすめします。

現在使っている吸入薬は中止する必要がありますか?

試験デザインにより異なります。現在の治療を継続したまま治験薬を上乗せする試験(add-on試験)もあれば、一定期間を置いて治験薬に切り替える試験もあります。試験プロトコル上、安全性が確保された設計になっており、説明会で詳細が説明されます。

謝礼はもらえますか?

労働の対価としての「報酬」ではありませんが、通院ごとに負担軽減費が支給されます。これは通院に要する時間・交通費の負担を軽減するための費用で、金額は試験ごとに定められています。

複数の喘息治験に応募できますか?

同時に複数の治験へ参加することはできません(試験薬同士の相互作用、データの正確性の問題があるため)。ただし、1つの試験への参加判断中に別の試験へ応募すること自体は可能です。最終的な参加可否はスタッフがご相談しながら整理します。

本ページについて

本ページは、ぺいるーと運営会社である株式会社エディハスが、過去に募集した喘息関連の治験案件と、現在国内で実施されている喘息治験の傾向をもとに作成しています。記載内容は治験参加判断の一般的な参考情報であり、個別の試験の参加条件・実施内容を保証するものではありません。具体的な参加条件・スケジュールは、各試験ページおよびスクリーニング時の説明会(インフォームド・コンセント)でご確認ください。

喘息の診断・治療方針については、必ず主治医にご相談ください。本ページは特定の治療法・治療薬を推奨するものではありません。

参考文献

  • 厚生労働省「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(GCP省令)
  • 日本アレルギー学会「喘息予防・管理ガイドライン」
  • 日本小児アレルギー学会「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」
  • 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「臨床試験情報」
  • 国立保健医療科学院 臨床研究情報ポータルサイト
会員登録・ログイン
募集中の治験一覧
  1. 18歳以上:2型糖尿病の方を対象とした通院モニターin…

  2. 検査

    25-60歳:来場1回のみ採血モニター【横浜・東京エリ…

  3. 合格

    18-39歳:非喫煙者◆池袋3泊4日×2回in東京都豊島区

  4. ひらめいた若年男性イラスト

    18-39歳:非喫煙者◆池袋(6泊7日+通院1回)×2回in東京…

  5. 18-59歳:RSウイルス対策‗ワクチンモニターin茨城県…

地域別の治験・モニター情報