この記事では、入院の治験へ参加する前に知っておきたい合格率や合格するためのちょっとしたコツ。また、参加までの流れや入院スケジュールなど入院の治験に関する知識を余すところなく網羅しました。
これから治験の参加を考えている方はもちろん、既に参加したことがある方にも役に立つ知識がたくさんありますので、どうぞ最後までご覧ください。
目次
治験の合格率や倍率はどれくらい?
入院の治験の合格率は通常40%程度(※)です。倍率にすると2.5倍。つまり、5人に2人しか受からないということです。
自分は健康だ!という猛者が集まってこの確率。資格試験でいうところの40%ってなかなかの難易度だと思いませんか?そうなんです、控えめに言ってもかなりの「健康」度合いが求められます。
でも、資格試験に対策があるのと同じように、日常的におこなっている”ちょっとしたこと”に気をつけるだけで、劇的に合格率を上げて治験の健康診断に受かる方法があります。
これからご紹介する内容を熟読して健康診断に臨めば合格間違いなし!…とは、いかないまでもかなり合格率はUPするはずです。
※遺伝子検査がある入院の治験はもっと合格率が低くなります。
これで合格率アップ!治験の健康診断に合格するための1週間前からの注意事項「6つ」
では、具体的に治験の健康診断で受かるにはどうしたら良いかについて見ていきましょう。
基本的に入院の治験では、血液検査のデータがいい方から合格する仕組みなので、合格するには「血液検査のデータを良くすること」これが合格への最短ルートです。
それでは、事前検診1週間前からできる血液検査のデータを向上させる6つの方法についてご紹介していきます。
1. 水分
これは治験参加に関わらず重要な事ですが、こまめに多めの水分を摂るようにしましょう。治験の健康診断に受かるための最重要項目と言っても過言ではありません。
水中毒にならないように注意は必要ですが、目安として1日1.5〜2リットル飲むように心がけましょう。一気に水を飲むと逆に体調が悪くなる可能性がある為、大事なのは“こまめに多く”水分補給をするという点です。
2. アルコールやエナジードリンクの摂取
アルコールを摂取すると、血中アルコール濃度が上昇することでγ-GTP、GOT、GPTといった肝臓で産生される酵素の値が高まります。
一度これらの数値が高まると、人によっては正常値に戻るのに1週間程度かかるため、少なくとも1週間前からはアルコールなどの摂取は控えるようにしましょう。
また、普段からアルコールを摂取する習慣がある方などで、もともと肝機能の数値が高い方は、1ヶ月程度アルコールを絶たないと回復しません。そのため、そのような方は1週間前と言わず1ヶ月前からは禁酒するようにしましょう。
同様に、エナジードリンクも肝機能に影響を及ぼすため、1週間前から避けるようにしましょう。
3. 筋トレなどの激しい運動
筋トレはもちろんですが、週に数回しか行わない程度の慣れない運動は控えましょう。
日常的におこなっている肉体労働などはそれ程大きくは影響しませんが、過度な運動はLDH (乳酸脱水素酵素)やクレアチニンなどの検査データに影響を及ぼします。こちらも一度数値が上昇してしまうと、回復するまでに1週間程度かかる場合がありますので、1週間前からは控えるようにしましょう。
4. 睡眠
良質な睡眠は検査値を改善します。特に健康診断前日はゆっくりと身体を休めましょう。
5. 脂っこい食事や偏った食生活
特に健康診断3日前〜前日の夕食までの食事内容が重要!検査数値に顕著に現れます。
規則正しい時間に野菜を中心としたバランス良い食事を心がけて、中性脂肪などの値に異常値が出るのを防ぐことができます。特にカレーライスや焼肉、唐揚げ、豚骨ラーメン、コンビニ弁当など脂っこい食事や暴飲暴食は控えましょう。
「唐揚げとかはなんとなくわかるけど、カレー?なんでカレーがいけないの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、市販のカレールーは約40%が油だと言われています。
6. 医療機関からの連絡が取れやすいように
治験参加者は人柄も見られています。
試験参加期間中に問題を起こしたり、連絡が取れなくなる可能性があるような方は、医療機関としては事前に除いて受け入れたくないというのが本音です。そのため、健康診断に遅刻をしないことや、健康診断以前・以後を含め、関係各所からの連絡が取れやすいようにしておきましょう。
「合格率アップのコツ」まとめ
入院の治験に参加できると、魅力的な謝礼金を受け取ることができます。しかし、それはそう簡単ではありません。この合格率アップの6つのコツを実践することで、すこしでも多くの方が治験にご参加いただけるように願っています。
治験の謝礼金(報酬)に関しての詳細は以下の記事をご覧ください。
治験の報酬は正式には「治験協力費」や「負担軽減費」と呼ばれますが、一般的には「報酬」や「謝礼金」として知られています。そのため、この記事では「報酬」という用語で統一してご説明します。 治験と報酬に関する基礎知識を1ページに凝縮しましたので、治験に参加する前にぜひご一読ください。 治験...
治験の健康診断に落ちてしまっても受かるまで諦めない
参加前の健康診断の結果、残念ながら不合格だった場合も諦める必要はありません!
合格する確率が40%ということは、逆を返せば落ちる確率が60%あるということ。
特に男性にその傾向が強いのですが、一度落ちてしまうと「俺は健康じゃないから受からないんだ…」とショックを受けてしまう方が多くいらっしゃいます。
たまたま健康診断を受けた時の体調によって、優先順位で不合格となってしまった可能性もありますので、同じ治験は無理でも、他の治験で何度でも健康診断に再チャレンジする事ができます。
上述の注意事項をしっかり守り、健康診断に備える事ができればいつかきっと健康診断に合格する時が来るはずですので、諦めずに何度でも挑戦してみてください。
ちなみに、治験に落ちてしまった場合、すぐに次の治験の健康診断に応募や予約ができるのか気になる方もいらっしゃるかもしれません。
結論からお話しすると、基本的には参加できるのですが、例外として参加できない場合もあります。
参加できない場合はどういう場合かというと、次に参加しようとしている治験も前回と同じ医療機関で実施される場合で、前回の検査データの異常値がすぐには基準値に戻らないと判断される場合、事前にお断りされる可能性があります。
でも、基本的にはすぐに次の治験の健康診断には参加できますので、それまでによく体調を整えて万全の準備をするようにしてください。
入院の治験に参加できない方
それではまず最初に、入院の治験に参加できない6つのケースについて確認しておきましょう。
それでは、上図の入院の治験に参加できないケースについて順を追って詳しくみていきましょう。
休薬期間中
治験は、同じ時期に複数の治験を掛け持って参加したり、何回も連続して参加したりする事ができません。
これは、薬同士が影響し合うこと(相互作用)による副作用を避けたり、治験データの信頼性を担保するため。また、短期間に過剰な採血を避けるために取り決められています。
バレないだろうと虚偽の申告をしようとしても、臨床試験受託事業協会(通称:臨試協)というところに加盟している医療機関(病院・クリニック)であれば、他の医療機関で同一人物の参加が無いか、参加者のイニシャルなどを用いて照合がおこなわれます。
基本的には、治験に参加した最終日から4ヵ月以上、次の治験の投薬日まで期間をあける必要があります。ただし、これはあくまで治験に参加して治験薬を投薬された場合です。治験の健康診断の結果、不合格で参加できなかった場合などは、休薬期間は関係ありませんのですぐに次の治験へ応募・予約することができます。
また、治験ではありませんが、健康食品や化粧品などのモニターの場合は1ヶ月以上空けていれば参加可能です。
4ヶ月以内の400ml献血
健康な男性を対象とした入院の治験では4ヶ月以内に400mlの献血歴があると参加できません。また、200mlは4週間以内、成分献血は2週間以内に献血していると参加できません。
BMIオーバー
治験の参加条件を見ると、この「BMI」というワードを目にする機会が多いと思います。
特に、入院の治験では性別や年齢などの参加条件に続いて加わることの多いBMI。これは身長や体重から割り出される肥満判定の指標とされており、肥満の国際基準となっています。
日本肥満学会の定めた基準では18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」に分類されます。その為、治験の入院ではBMIが18.5〜24.9までと設定される事が多いです。
BMI計算式 = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m) |
計算式は上記のとおりで、例えば身長170cm、体重が65kgの方の場合、65 (kg)÷ 1.7(m) ÷ 1.7(m) = 22.49となり普通体重となります。
一方で、持病がある方の通院タイプの治験や健康食品、化粧品・コスメのモニター(臨床試験)などのBMI基準はモニター毎に異なり、BMIの基準が非常に厳しかったり、逆に参加条件にBMIの指定がなかったりすることがあります。
※BMI計算はこちらで簡単にできます
生活保護受給者
生活保護を受給されている方は、基本的に治験への参加はできません。負担軽減費は収入の一部とみなされ、生活保護の適応を除外されたり減額になる可能性があります。
身分証明書不所持
入院の治験の場合、身分証明書が1つ以上必要です。下記のいずれも無い場合には基本的にご参加いただけません。
身分証明書として認められるものは、
- 保険証
- 免許証
- 住民票
- パスポート
- マイナンバーカード
- 住基カード
- 学生証
などです。
どの身分証明書であれば参加可能かは、医療機関によって考え方が異なります。しかし、一番確実なのは顔写真付きの身分証明書(免許証、パスポート、学生証)を所持していることです。
募集エリア外
治験参加には募集エリアがあります。
その理由として、実施医療機関と自宅があまりにも離れている場合、合否に関わらず事前の健康診断の謝礼が3,000円程度しか出ず、それ以上かかる場合にはご自身の負担となってしまうこと。また、治験参加中や参加後に何か緊急事態があった際に、遠方の方だと適切な処置が施せないという、被験者保護の観点からもやはり遠方の方よりは近隣の方が優先される傾向にあります。
募集エリアに関しては、あわせて「よくある質問」もご覧ください。
アトピーなどのアレルギー症状や歯科治療中
上記以外にも、入院の治験に参加することができない基本的な条件はいくつかあります。
代表的なものがアトピーや花粉症などのアレルギー症状をお持ちの方です。アレルギー診断がない方や服薬されるほどではない症状の方は参加いただけることもありますが、基本的にどのような薬でも服薬されている場合は治験参加対象外となります。参加基準が厳しい治験では、小児喘息や小児アトピーなどの既往歴があるだけで参加できない場合もあります。
また、歯科治療中の方も基本的にご参加いただけません。理由は、歯医者さんで処方される飲み薬などと治験薬との相互作用による健康被害を防ぐためです。なお、虫歯があったとしても現在は治療されておらず、治験期間中に治療が必要になる恐れが無いようであれば参加に問題はありません。
3つの厳守事項
ここでは、治験に参加する際に必ず守っていただきたい3つのルールをお話しします。
辞退・無断キャンセルについて
治験への参加は、「本人の自由意思」によるものなので、参加前・参加中に関わらずいつでも辞退は可能です。
しかし、予約後の無断キャンセルやスケジュール確認不足による途中辞退などは、製薬会社や医療機関、他のボランティアの方々にも多大な迷惑をかけることになります。場合によっては、一人のキャンセルによって試験自体が中止となる可能性もあります。
そのため、無断キャンセルは絶対無いよう、また、可能な限り参加途中での辞退がないように、治験参加前によく検討した上で治験参加へのご協力をお願いしています。
虚偽の申告はダメ、絶対!
治験参加の際には、虚偽の申告が無いようにご注意ください。虚偽申告により、複数試験の掛け持ちや喫煙・アレルギーなどの症状が発覚した場合、今後治験へのご案内ができなくなる可能性があります。
また、何よりも参加する皆さん自身の身の安全を守る大切な取り決めです。
入院中の喫煙は禁止!タバコや飴など嗜好品の持ち込みもNG
入院中に喫煙はできません。電子タバコももちろんNGです。
一日一箱以上タバコを吸っている喫煙者は入院期間中の禁煙が難しかったり、隠れてタバコを吸うなどの問題行為が発覚したケースがある為、現在では参加基準に「非喫煙者」という条件が加わっている治験もあります。
また、治験参加中は、治験薬の効果を正確に比較するためにも、治験を受ける方の条件を同じにしなくてはいけません。そのため、飴やガムなどを含む飲食物の持ち込みはできません。
もちろん、入院時に持ち物検査があるので、こっそり持ち込む事もできません。
これまでにみてきたように、治験はお薬を扱うため、一つ間違えると重大な事故に繋がりかねません。治験に参加する際には上述したような注意事項を厳守のうえご参加いただきますようにお願いいたします。
治験の事故に関する記事は以下をご覧ください。
「治験は危険」という認識を持つ人は珍しくありません。 しかし、治験のリスクを正しく理解している人は、残念ながらごく少数です。 治験には死亡事故が付きものである 治験は危険だから高額な謝礼がもらえる 薬の副作用は危険なものである このような認識があるなら、本記事はお役...
初めてでも安心!入院の治験モニター参加前の疑問を解消
一般的に治験といえば、「治験バイト」の俗称で知られる入院タイプの治験ですが、はじめて治験に参加される方は不安も大きいと思います。
治験の体験談などで、ある程度治験に参加するイメージはできたとしても、実際に治験へ参加する前には多くの疑問が生じます。
「治験の報酬は魅力的だけれど、正直なところ参加者はどう感じているのだろうか……」 このように不安に思う方は珍しくありません。治験の仕組みを知るまで「危険だから報酬が高額なのでは?」と思うものですし、ネット上には過剰に不安を煽る記事もよく見られます。 そこで今回は、ぺいるーとを利用して治験や健...
ここからは、その入院の治験モニター参加前に生じる疑問を一緒に解消していきましょう。
参加前の疑問
外国人やハーフ・クォーターは参加できる?
日本で行われる入院の治験は、基本的に日本人を対象におこなわれます。これは食生活やDNAの違いによる取り決めのため、残念ながら参加は難しくなっています。しかし、稀に外国人の方を対象とした治験もありますので、見逃さないようにしましょう!
注射嫌いには大変?
入院の治験は採血回数が多い為、過去に採血が取りづらいと言われた事のある方や、採血をして具合が悪くなった事がある方。また入院中は採血回数が多いため、極度の注射嫌いの方はご予約を見合わせていただく可能性があります。
女性は入院の治験に参加できない?
入院タイプの治験は基本的に成人男性を対象としています。稀に、閉経後の女性を対象とした入院の治験もありますが、総数としては決して多くありません。
治験は何歳から参加できる?未成年の参加について
入院の治験は年齢制限があり、成人である20歳以上が参加条件となっているため、高校生など未成年の参加はできません。通院の治験では、未成年でも参加できる治験もありますが、保護者の同意や同伴が必須になります。
※2022年4月1日に施行される改正民法により成年年齢が20歳から18歳に引き下げられます。これにより18歳以上の成人は代諾者からの同意が不要となるため、今後は18歳以上から参加できる健康成人の入院の治験が増えるかもしれません。
治験が中止になる場合
治験薬を服用したことによって、自覚症状や臨床所見の悪化、新たな合併症・偶発症(因果関係が不明な症状)が発生した際に、治験担当医師の判断により、治験の継続を断念する場合があります。
この場合、「スケジュールをあけていた」などの理由でも、負担軽減費(謝礼・報酬)は補償されませんので注意が必要です。
刺青・タトゥは参加OK?
治験の実施医療機関によっても考え方が異なりますが、治験の内容や刺青の位置や形状によって、治験への参加ができない場合があります。
特に、貼り薬など、皮膚の状態を確かめる治験では原則としてご参加いただけません。また、採血部位や胸部、背中に刺青がある場合もご参加いただくことが難しい場合があります。
稀に、ワンポイントの刺青・タトゥであればご参加可能な医療機関もありますので、ご予約の際に申告して確認してみてください。
集団生活が苦手な人見知りでも参加できる?
人見知りの方でも、もちろん参加可能です。
参加者は自分のベットの上で漫画を読んだり、スマートフォンで動画を見ていたりと、各々自由に過ごされることが多いです。とはいえ、集団生活が苦手の方の場合、ストレスとならないように短期入院からの参加をお勧めします。
予備待機・自宅待機ってなんだろう?
入院の治験では、合格者のほかに予備待機や自宅待機などを数名選ぶことがあります。
予備待機・自宅待機は、事前の健康診断の結果で決まる事もあれば、入院当日の採血検査の結果で決まることもあります。
予備待機者は、合格者が当日体調を崩して急遽参加できないなどの場合に繰り上げで参加していただきますが、辞退者が出なかった場合は、1泊だけして翌日帰宅となります。その場合、1泊分の負担軽減費(報酬)を受け取ることができます。
自宅待機者は、入院当日に参加者が不足した場合、その日に実施医療機関に来ていただけるよう予めスケジュールを確保していただくよう、事前に案内があります。繰り上げで参加をしていただく場合は医療機関から連絡がありますが、繰り上げがなく自宅待機で終了となる場合もあります。その場合には負担軽減費のお支払いはありません。
入院中の疑問
持ち物は何が必要?娯楽など入院中の過ごし方。
入院中は医師による問診や、採血・心電図・採尿などの検査があります。治験によっては、「採血後〇時間はベットの上から動かないように」「寝ないように」などの制限があるものもありますが、基本的に検査の時以外は自由時間です。
そのため、実施医療機関によって設備はさまざまですが、テレビや雑誌・漫画を多数用意していたり、Wi-Fi環境があったりと、参加される方ができるだけ暇を持て余す事なく、快適に過ごせるように配慮されています。
入院時の持ち物については、入院する医療機関から事前に説明がありますが、必要最低限の持ち物として、財布や携帯・スマホ、下着の替え、マスクなどを持参すれば良いでしょう。
その他にも、以下のようなものがあると便利です。
電気シェーバー、タオル、歯磨きセット、シャンプー・リンス、ボディソープ、充電器、ヘッドフォン、耳栓、アイマスク、延長コード、ゲーム、ノートPC、ジャージやスウェット(※院内着の貸し出しがない場合)
このうち、無いと後悔するのがヘッドフォンやBluetoothイヤホン!
YoutubeやAmazonプライムなどで動画が視聴できたとしても、音声がなくては楽しみも半減してしまいます。
他にも、漫画アプリやPC用TVチューナーなどを事前に用意しても良いかもしれません。
Wi-Fi環境や暇つぶしのために持ち込みが可能な物については、入院する医療機関によっても異なりますので、入院前に医療機関担当者へ確認するようにしてください。
面会や外出は可能?
長期の入院の場合、近所への散歩程度であればできる場合もありますが、基本的に入院中の面会や外出はできません。
お風呂・入浴について
お風呂はなく(あっても使えず)、シャワー室があります。シャワーは決まった時間内であれば利用できますが、治験の内容によっては、「入院2日目はシャワー禁止」などの制限がかかることがありますので入院の際にご確認ください。
入院中はどんな食事が出るの?
入院中は、基本的に一般的な仕出し弁当が出ます。
治験では、治験薬の効果を正確に比較するためにも、治験を受ける方の条件を同じにしなくてはいけません。その為、入院中の食事は残さずに食べていただく必要があります。
これは、食事による薬への影響を排除する目的で設けられているルールです。そのため、好き嫌いがあってどうしても食べられないものがある方は、ご参加いただけない可能性があります。
応募から参加までの流れ
それでは、実際に入院の治験へ応募するところから参加までの流れを見てみましょう。
申し込み:参加条件にあった治験の募集情報に申し込みます。
基本的な年齢や性別・BMIなどの参加条件を確認し、無理のないスケジュールで参加できる治験を選びましょう。
アンケートへ回答:ぺいるーとから送られてくるアンケートに回答しましょう。
応募後に、ぺいるーとからメールで送られてくるアンケートに回答しましょう。基本的な参加条件の確認と詳細参加条件の確認が行われますので、間違ったり虚偽の申告などがないように気をつけましょう。
電話で予約:ぺいるーとから予約連絡が入ります。
ぺいるーとの担当者がアンケート回答結果を確認後、参加に問題ない方にお電話させていただきます。その際に予約日時や来院場所をお伝えします。お電話でのご予約完了後にメールで改めて予約詳細をお送りしますので併せてご確認ください。飲食は血液検査の結果を大きく左右します。健康診断が終わるまで飲酒・喫煙はなるべく避けて、規則正しい生活をするように心がけてください。
健康診断の内容や所要時間:治験の説明と同意の後に健康診断をおこないます。
治験に関する詳しい説明の後に、治験参加への同意をし、身長・体重、血圧・脈拍測定、心電図、尿検査、血液検査などの健康診断をおこないます。所要時間は大体2〜3時間程度です。
合否連絡のタイミング:医療機関から健康診断の結果をご連絡します。
健康診断を受けてから大体1週間後に、健康診断を受けた医療機関担当者から合否の連絡があります。
治験参加(来院):参加する治験のスケジュールで入院していただきます。
合格したらいよいよ本試験の入院です。
入院中のスケジュール(例:4泊5日)
入院中はどのようなスケジュールで過ごすのか、4泊5日で入院する治験の例を見てみましょう。
入院1日目(入院初日)
16:00 | 入院手続き。入院中の注意事項、スケジュール説明等。採血。 |
19:00 | 夕食 |
20:00 | 入浴(シャワー) |
22:00 | 消灯 |
入院2日目
06:30 | 起床 |
---|---|
07:00 | 検査(心電図・血圧・脈拍・体温・採尿・採血) |
08:30 | 診察 |
09:00 | 治験開始:投薬(治験薬を飲みます) |
09:30 | 採血 |
10:00 | 採血 |
11:00 | 採血 |
12:00 | 採血 |
13:00 | 診察、検査(心電図・血圧・脈拍・体温・採尿・採血)、昼食 |
14:00 | 採血 |
15:00 | 採血 |
17:00 | 採血 |
19:00 | 夕食 |
21:00 | 採血、入浴(シャワー)不可 |
23:00 | 就寝 |
入院3日目
08:00 | 起床 |
---|---|
09:00 | 診察、検査(心電図・血圧・脈拍・体温・採尿・採血)、朝食 |
13:00 | 昼食 |
19:00 | 夕食 |
20:00 | 入浴(シャワー) |
23:00 | 就寝 |
入院4日目
08:00 | 起床 |
---|---|
09:00 | 診察、検査(心電図・血圧・脈拍・体温・採尿・採血)、朝食 |
13:00 | 昼食 |
19:00 | 夕食 |
20:00 | 入浴(シャワー) |
23:00 | 就寝 |
入院5日目(退院日)
08:00 | 起床 |
---|---|
09:00 | 診察、検査(心電図・血圧・脈拍・体温・採尿・採血) |
09:30 | 退院手続き |
以上は一例であり、治験の実際施設や治験内容によってスケジュールは異なります。ですが、大まかな流れはこのような感じですので、イメージに役立てていただければと思います。
入院期間中は基本的に外出できませんが、検査の時間以外は院内で自由に過ごす事ができます。また、投薬日(上の例でいうと入院2日目)は採血がたくさんありますが、一回の量は少量なので安心してください。それ以外の日は検査も少なくなり、自由時間が多くなる傾向があります。
入院の治験はどこでやってるの?
ここまで説明してきた入院の治験。実は、入院体勢の整っている特定の病院やクリニックでしかおこなわれていません。
北は北海道から南は九州まで、日本中にあるその医療機関。その主な実施場所をご紹介します。
九州地区
まず、九州の福岡県と熊本県。特に福岡県は日本一入院の治験がおこなわれていると言っても過言ではありません。短期入院から長期入院に至るまでとにかく種類が豊富です。福岡県は久留米市や博多区、東区の医療機関で実施されていて、熊本県は熊本市の医療機関で実施されています。
関東地区
次に関東。東京都は新宿区、台東区、墨田区、豊田区、八王子などで入院の治験の募集があります。埼玉は上尾市。神奈川は横浜市や相模原市。茨城県はつくば市で募集されています。
関西地区
関西では大阪府で募集されていますが、今のところ吹田市と大阪市の二つの医療機関で募集があります。
北海道地区
札幌市は入院の治験が全国でもTOPクラスの地域となっています。清田区や厚別区などの医療機関で随時募集がおこなわれています。
北陸地区
福井県福井市でも入院の治験が募集される事があります。
地方・遠方からの参加はできる?
皆さんのお住まいの近くに、治験の入院施設はありましたか?
この中でも、特に東京、福岡、札幌の治験実施(募集)数はズバ抜けて多いです。
残念なことに、遠方からの治験参加はよほどの事がない限り認められないので、それ以外の地域にお住まいの方が入院の治験に参加する機会は非常に限られているかもしれません。
しかしながら、参加者が集まりづらい時などに遠方からの来院が認められる(交通費も多めに出る)こともありますので、気になった方は常に情報を確認するようにしておいてください!