男性がHPVワクチンを接種するメリット

男性のHPVワクチン


ヒトパピローマウイルス(HPV)は、がん化を引き起こすウイルスの1つで、性交によって人から人へと感染することが知られています。

HPVには様々な型があり、すべてががん化を引き起こすわけではありません。しかしながら、HPVは男女問わず感染し、特に女性では子宮頸がんの主な原因となることが知られており、女性だけでなく男性でも中咽頭がん、陰茎がん、肛門がんなどの性交に関わる部位でのがん化に関連しているとされています。

そのため、がん化を引き起こすとされているハイリスクな型のHPVに感染している男性から、性交によって女性へと感染させてしまった場合は、これらのがんを引き起こさせてしまう可能性が高くなってしまいます。

HPVにはワクチンがあり、ハイリスク型のHPVを含むいくつかのHPV感染を防ぐことができ、がん化の可能性を低くすることができるため、ワクチン接種が推奨されています。

これらの知見から、子宮頸がんの予防のための女性へのHPVワクチン接種だけでなく、男性にもHPVワクチン接種が推奨されています。この記事では、海外と日本のHPVワクチン接種の状況を比較し、男性もHPVワクチンを接種するメリットについて述べていきます。治験とは

海外のHPVワクチン接種


海外では、女性へのHPVワクチンの接種率が高く、欧州を始めとして80%前後となっています。

また、オーストラリア、アメリカでは、男性でもHPVワクチン接種が既に推奨されています。特にオーストラリアでは、近い将来、HPV由来の子宮頸がんを撲滅することができるだろうと予測されています。

さらに、カナダ、中国、欧州、南米などの国においても、男性を対象としたHPVワクチンに関連する臨床試験が複数実施されており、今後の結果次第では、これらの国々においても男性へのHPVワクチン接種を推奨する流れが始まる可能性があります。

また、健康な45歳までの成人男性が、HPVワクチン接種によって一過性の感染を予防できるかどうかの国際共同試験が実施されており、この試験には日本も参加しています。

日本のHPVワクチン接種


日本では、HPVワクチン接種時の副反応の問題が広まってしまったこと等から、女性へのHPVワクチンの接種率が1%を切っており、海外の状況とは圧倒的に異なっています。

また、そのような状況のため、男性へのHPVワクチンの接種も推奨されていません。さらに、現時点で予防効果の高いHPVの9価ワクチンは、海外では承認されているものの、日本では2020年7月まで承認されていなかった問題もあります。

そんな中、日本でも自費でHPVワクチンを接種する男性が増えており、そうした男性由来のHPV感染を防ぐために活動されている方もいらっしゃいます。

 

男性がHPVワクチンを接種するメリット


男性がHPVワクチンを接種するメリットは、性交時のパートナーからのHPV感染を防ぎ、後述するようながんにかかるリスクを減らすことにあります。

HPVにはいくつかの型があり、その中でもハイリスクなHPVへの感染によって引き起こされるとされるがんがいくつかあります。子宮頸がんは、ほとんどがHPV感染によるものとされており、それ以外でも陰茎がん、中咽頭がん、肛門がん、膣がん、外陰がんなども60から90%程度の割合がHPV感染によるものとされています。

これらの部位は性交によって粘膜接触が起きる場所でもあり、パートナーからパートナーへの感染があり得ます。実際のデータとして、海外や日本の一部の研究結果から、初めての性交前にHPVワクチンを女性に接種することで、成長後にHPVへの感染率が激減し、子宮頸がんも減少したことがわかっています。

しかしながら、感染率や子宮頸がんを0とするには至っていません。また、男性のパートナーが女性とは限らず、男性同士でHPV感染をすることも十分に考えられるだけでなく、男女ともに複数のパートナーがいた場合を考えれば、男女ともにHPVへの感染を予防する必要があります。

これらのことから、女性だけでなく男性もHPVワクチンを接種することで、男女ともにHPV感染を予防し、上記に挙げたがんになる確率を相当低くすることができると考えられます。

まとめ


HPVは、子宮頸がんの主要な原因とされ、さらには性交によって接触する粘膜部位におけるがんの原因の大部分とされています。

そのため、HPV感染を予防することで、これらのがんを減らす、または撲滅することが可能になると考えられています。これまでは、世界的に女性へのHPVワクチン接種が主でしたが、海外では男性への接種も広がりつつあります。

また、日本においては、女性への接種率も低く、男性では堀江貴文氏のように啓蒙活動をされている一部の男性しか接種に至っていません。このままでは、他国に後れをとってしまうことで、他国では既に撲滅、減少したがんが日本だけで発生しているような状況となり、それらがんに対する新薬や治療法が開発されなくなるおそれもあります。

その一方で、世界でも男性へのHPVワクチン接種の推奨は、まだまだ発展途上であることから、日本が世界に先駆けて男性への接種を推奨し、いち早くHPV関連のがんを撲滅することができる可能性も秘められています。

さらに、最近になって日本でも海外と同様の9価ワクチンを公費で接種できるようになったり、成人男性での接種効果を検討する臨床試験が日本でも行われていたりすることから、2020年以降は、日本でもHPVワクチンの接種が一般的に、さらには男性への接種も推奨されるようになることが望まれます。

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