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アトピー性皮膚炎と治験のこときちんと知りませんか

【疾患コラム】

 アトピー性皮膚炎と治験のこときちんと知りませんか

 

[目次]
アトピー性皮膚炎ってどんな病気?
-1. 皮膚バリア機能低下
-2. アレルギー炎症
-3. 皮膚表面のかゆみ
アトピー性皮膚炎のタイプとは?
-1. 体質によるもの
-2. 外的要因によるもの(環境など)
-3. 内的要因によるもの(食べ物など)
-4. 心理的な要素からくるもの(ストレスなど)
アトピー性皮膚炎の症状にあった治療や対策とは?
-アトピー性皮膚炎の主な症状
-こんな症状はありませんか?
アトピー性皮膚炎の治療法について
-薬物療法
-外用療法
-悪化因子への対策
もっと自分にあった治療のために

 

辛いかゆみや湿疹などの症状<アトピー性皮膚炎>は、年齢や性別に関係なく多くの人たちが悩む国民病ともいえます。

その症状は、赤みや水ぶくれ、掻き傷など、皮膚の表面がカサカサしたりヒリヒリ痛んだり、人によっては、強いかゆみや痛みが夜間にも続き、ストレスや不眠など二次的な障害になることもあります。

 

アトピー性皮膚炎は、一言でいうと「皮膚にかゆみと湿疹を伴う疾患」ですが、その原因は、<遺伝など体質によるもの><ダニやハウスダストなど環境によるもの><食べ物などのアレルゲンによるもの><ストレスなど心理的な要因によるもの>などさまざまです。

 

しかし、すべて原因が明らかになっていないことも多く、病気を完治する治療法も確かではありません。そのためアトピー性皮膚炎の臨床試験(治験)が頻繁に行われています。

 

とはいえ、アトピー性皮膚炎は、適切な治療を受けることで、症状が緩和した状態を維持し、やがて寛解(病状が治まっておだやかな状態)も期待できる病気です。

そのためにも、まず<アトピーの症状や原因を知ること>から始めましょう。

 

□アトピー性皮膚炎ってどんな病気?□
 

アトピー性皮膚炎には、<1.皮膚バリア機能低下>から、<2.アレルギー炎症>、さらに<3.皮膚表面のかゆみ>と進んでいくことが特徴です。

 

1. 皮膚バリア機能低下
 

皮膚バリアとは、主に「セラミドやケラチンなど皮膚表面の角層」のことです。

この皮膚バリアが何らかの原因で機能が低下することで、保湿機能が働かなくなり皮膚が乾燥し、やがて炎症が起こります。

皮膚の表面には、紫外線や細菌、ウィルスなどさまざまな異物の侵入を防ぐ役割がありますが、これら外からの刺激を皮膚で防ぐことができなくなります。

 

2. アレルギー炎症
 

皮膚バリア機能が低下すると、「アレルゲン(抗原)」が皮膚に入り込みやすくなります。

アレルゲンとなる原因物質は、ダニ、ハウスダスト、花粉、真菌、食物などさまざまです。

これらが皮膚から侵入すると、身体の内部からは異物を攻撃するよう「生理学的な異常」が働き炎症を起こします。

 

3. 皮膚表面のかゆみ
 

皮膚が炎症を起こすことで、アトピー性皮膚炎の症状である「皮膚表面のかゆみ」になります。

かゆみは、額や目の周り、口周り、唇、耳、首、手足の関節、胴などあらゆるところに起こり、皮膚表面はカサカサ乾燥して、湿疹があらわれるという特徴があります。

 

臨床試験(治験)では、各症状に対してアプローチを続け、新しい医薬品の開発を進めているのが現状です。

 

□アトピー性皮膚炎のタイプとは?□
 

このように「皮膚の乾燥」や「バリア機能の異常」「アレルギー反応が皮膚のかゆみを発症する」というのが、アトピー性皮膚炎発症のしくみです。

アトピー性皮膚炎の発症は、大きく4つに分けられます。

それぞれの原因やタイプをご紹介します。

 

1. 体質によるもの
 

遺伝的な体質によるものがあります。

アトピー性皮膚炎を発症する人は、「アトピー要因」という遺伝子を持つ人に限られます。

つまり、家族にアトピー要因を持つ人がいるということは、全員がアトピー要因を持っているということになり、遺伝する可能性は非常に高くなります。

例えば、私たち日本人に多い<乾燥肌><敏感肌>という肌体質は、水分を保持する機能が劣っていることが原因です。

 

このような遺伝的体質は、アトピー性皮膚炎を起こしやすい体質といえます。

また、「免疫機能異常」を起こしやすい体質も遺伝的な原因が多くあります。

免疫機能は、体内に病原菌や異物などが侵入した時に、それらに抗って打ち勝つために働く能力のことです。

 

このことにより、病気の原因と反応して抗体をつくり病気への抵抗力を身につけます。

免疫機能の異常で「防御機能」が低下することも、アトピー性皮膚炎の原因の一つです。

 

2. 外的要因によるもの(環境など)
 

外的要因にはいくつかありますが、特に、「生活環境の汚染や化学物質」などによるものが、近年急増しています。

その中でも、排気ガスなどの大気汚染の環境要素は、アトピー性皮膚炎の大きな原因です。

 

そして、生活の中で接触する、衣服や寝具、化粧品や石鹸などに含まれる化学物質による原因もあります。

また、髪の毛や衣服が肌に接触して刺激する「接触アレルギー」や、そのほかにも、汗をかいた後の細菌が肌につくことが原因の「細菌アレルギー」などのケースもあります。

 

3. 内的要因によるもの(食べ物など)
 

特定の食物が要因となる「食物アレルゲン」によるものがあります。

また、食べ物に含まれる食品添加物や残留農薬など、さらに、身体に良いとされる健康食品や医薬品などで発症することもあります。

食べ物以外にも、部屋の中のダニやホコリ、ペットの毛などを知らないうちに吸って体内に入ってしまうことも大きな原因の一つです。

 

4. 心理的な要素からくるもの(ストレスなど)
 

ストレスなど心理的な要因が原因することも、近年急増しています。

人は不安や危険を感じると、体内のアドレナリンの分泌が活発になり、ホルモンの分泌や自律神経のバランスを崩します。

 

このストレス状態が、皮膚症状に影響することが症状の悪化につながることがあります。

また、アトピー性皮膚炎の症状自体がストレスになり、さらに悪化させるという悪循環につながるケースも多くあります。

 

□アトピー性皮膚炎の症状にあった治療や対策とは?□

 

 

アトピー性皮膚炎の主な症状
 

アトピー性皮膚炎の症状は、まず、かゆみの伴う湿疹があらわれ、強いかゆみが出たり弱くなったりを繰り返します

さらに、皮膚を掻いてしまうことにより出血し、その部分が化膿を起こし重症化していきます。

 

一般的に、乳幼児期から発症し、初めは湿疹や肌表面の乾燥、次第に、耳、口、頬、アゴ周りなどに湿疹があらわれていきます。

大人になるにしたがって、顔や首、手足の関節、胴など、身体のあらゆる部分に広がっていくことが特徴で、湿疹の多くは左右対称にあらわれます

 

そして、季節によって症状に差があるということも、アトピー性皮膚炎の特徴です。

 

冬に悪化するタイプは、肌の乾燥による原因。

夏に悪化するタイプは、汗が原因となって細菌が皮膚の炎症を悪化によると考えられます。

 

こんな症状はありませんか?
 

アトピー性皮膚炎かどうかわからない症状がある場合は、なるべく早く専門医療機関で診断を受け治療を始めることが大切です。

その際、自分の症状を正しく伝えられるかも重要なポイントです。 

アトピー性皮膚炎の症状や程度について、チェックして見ましょう。

 

【症状チェック】

□皮膚表面がカサカサ乾燥している

□ 湿疹があらわれて、かゆみが強くなったり弱くなったりを繰り返す

□特定の部分(顔、耳、首、手足の関節、腿の付け根など)に湿疹が出る

□季節によってかゆみが違う(冬タイプ・夏タイプなど)

□勉強や仕事など、緊張しているとき(ストレス時)に症状があらわれる

 

【重症度のめやす】

□軽傷:面積にかかわらず、軽度の湿疹がみられる

□中等症:強い炎症を伴う湿疹が、身体の表面に10%未満みられる

□重症:強い炎症を伴う湿疹が、身体の表面に10〜30%みられる

□最重症:強い炎症を伴う湿疹が、身体の表面に30%以上みられる

 

□アトピー性皮膚炎の治療法について□
 

アトピー性皮膚炎は、年齢とともにある程度の割合で寛解(病状が治まっておだやかな状態)が期待できる疾患です

成人期のアトピー性皮膚炎患者では、20歳代をピークに減少し始め、40歳代までには3分の2の人が皮膚科を受診しなくても良い程度に改善するという報告もあります。

 

そのためには、適切な治療と対策を始めることが大切です。

アトピー性皮膚炎の治療には、具体的な目標が(アトピー性皮膚炎診療ガイドラインにおいて)設定されています。

 

【治療の目標】

  • 症状がないか、あっても軽微で、日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態に到達し、その状態を維持すること
  • このレベルに到達しない場合でも、症状が軽微ないし軽度で、日常生活に支障をきたすような急な悪化が起こらない状態を維持すること

 

治療の目標に向けて、主に<薬物療法><外用療法><悪化因子の検索と対策>を基本的な治療としています。

その人の症状の程度や原因となる要素などを踏まえて、これらの治療方法を組み合わせて行うことが一般的です。

 

薬物療法
 

薬物療法では、ステロイド外用薬とタクロリムス軟膏を症状によって組み合わせの処方が一般的です。

アトピー性皮膚炎の炎症を速やかに鎮静させることに有効とされています。

湿疹がますます悪化する悪循環を、薬物療法で炎症をコントロールすることで、アトピー性皮膚炎の悪化因子を減らすことにもつながります。

 

外用療法
 

アトピー性皮膚炎では、皮膚バリア機能と保湿因子が低下し、角質層内の水分が失われ、いわゆる「ドライスキン」の状態になります。
 

ドライスキンにより、アレルゲンが侵入しやすい状態になり炎症につながります。
 

外用療法では、これらの皮膚の生理学的以上に対して、保湿外用剤(保湿剤・保護剤)を使用することで、皮膚の水分機能低下を改善し、皮膚バリア機能を回復・維持することで炎症予防とかゆみの抑制に効果をもたらします。
 

ただし、外用療法だけでは炎症の治療としては十分ではないため、症状によって薬物療法と併用する必要があります。

 

悪化因子への対策
 

薬物療法や外用療法の治療と合わせて、生活環境の中にある悪化因子への対策も重要です。

悪化因子には、主に<1.食物><2.環境・接触要因><3.発汗><4.細菌>などがあります。

 

1.食物

特に乳児では、食物によるアレルゲンが関わることが認められています。

食物アレルゲン対策として原因食物を除去するという療法がありますが、これはあくまでも薬物療法などの補助療法とされ、これだけで完治を期待するものではありません。

 

2.環境・接触要因

環境要因には、室内のダニやチリ、ホコリ、ペットの毛などを吸い込むことで起こる<吸入アレルゲン>

そして、外用薬や化粧品、香料、金属、シャンプーや石鹸、髪の毛や衣類との摩擦などの<接触アレルゲン>による原因があります。

 

<吸入アレルゲン>の場合は、掃除や洗濯、空気清浄機などを使用し原因となる要因を吸い込まないようにすること。

<接触アレルギー>の場合は、髪や衣服などで肌に刺激を与えないようにすること。

 

外用薬やシャンプー、石鹸などはしっかりすすいで除去し、原因となる接触を避けよう工夫します。

また寝ているときに、無意識に皮膚を掻いてしまわないように、長袖長ズボンや手袋をつけて寝るなどの対策も有効です。

 

3.発汗

汗の分泌障害はアトピー性皮膚炎の症状の特徴でもあります。

汗をかいた後に乾かないで残った汗にある「マラセチア」に由来する抗原が症状の悪化につながります。

 

対策としては、汗を吸い取りやすい肌着を着たり、汗をかいた後はできるだけ早く拭き取ったり、シャワーを浴びることが有効です。

 

汗をかくということがアトピー性皮膚炎症状を悪化するわけではないので、汗をかくことを避けるのではなく、あくまでも汗を皮膚に残さないということがポイントです。

 

4.細菌や真菌

アトピー性皮膚炎では、近年「細菌や真菌」による炎症などの症状への関わりが明らかになっています。

 

そのため、抗菌・抗真菌治療によって皮膚炎が抑えられることが示されています。

しかし、病態との関連性については、未だ十分な検証が行われていないという段階です。

 

 

□もっと自分にあった治療のために□
 

このように、アトピー性皮膚炎の原因は「遺伝的」なものも含めさまざまで、治療法においてもまだ研究や治験を重ねている段階で、確かな治療法がないというのが現状です。

 

また、社会や環境の変化は、病気の原因となる要因にも変化をもたらしています。

 

このような変化にも対応しながら、常に新しい薬の開発は進んでいます。

そうした、開発した薬の効果や安全性を知るために、製薬メーカーや医療機関、研究機関では、常に臨床試験(治験)を行なっています。

 

アトピー性皮膚炎も、臨床試験(治験)の対象です。

アトピー性皮膚炎の症状に思い当たる方や、アトピー性皮膚炎と診断された方でこれまでの治療に不安がある方、また、新しい治療を試してみたいと思われる方、すべての人が治験に参加できる対象です

 

この機会に、臨床試験(治験)に参加してみませんか?

今現在、迷われている方も、お悩みや疑問がある方も、まずはお気軽にご相談ください。

 

 

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