ドラッグラグ解消を目指した国際共同治験とは?

【治験上級者向け】

 ドラッグラグ解消を目指した国際共同治験とは?

 

[目次]
国際共同治験によってドラッグラグがなくなる?
-複数の国によって開催される国際共同治験とは?
-国内未承認薬が多くドラッグラグが生じている現状
-病気に対して不自由なく必要な薬が使えることが理想

 

□国際共同治験によってドラッグラグがなくなる?□

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今回は「ドラッグラグ解消を目的とした国際共同治験」を題材にしたコラムです。

国際共同治験とは複数の国もしくは地域で同時に実施される治験を指します。

国をまたいで治験を行うことにどのようなメリットがあるのでしょうか。

また、国際共同治験を実施することでなぜドラッグラグの解消が見込まれるのかについて解説します。

 

複数の国によって開催される国際共同治験とは?
 

国際共同治験とは読んで字のごとく、複数の国や地域で共同開発される治験のことを意味します。

しかし、新薬開発に関する関係者が増えることによって、確認事項や連絡系統の複雑化などのデメリットを想起された方も少なくないはずです。

しかし、さまざまな国や地域が英知を出し合って協力する国際共同治験には、実施するだけの“大きな価値”があります。

 

国際共同治験の最大のメリットは、世界各国の患者さんのデータが集められることです。

対象エリアが日本だけに留まらず、さまざまな国や地域になるので、多くの治験サンプルを得ることができます。

それは人種を問わずに薬の効力を調査できることを意味するため、国内だけで完結するものよりも幅広いデータを採取することが可能になるのです。

日本で販売されている薬は主に“日本人向け”に作られているものになります。

そのため、体質の異なる外国人の方にも同様の効力があるかは不明なところもあります。

そして、それは日本人が海外の薬を服用する際にも当てはまることです。

日本人向けに試験が行われていない薬を服用することには大きなリスクが伴いますが、日本も含めた国際共同治験に通った薬であれば、服用する際の安心感が異なるでしょう。

 

国内未承認薬が多くドラッグラグが生じている現状
 

上記の理由などがあり、国際共同治験への認識と実施が高まってきていますが、日本における利点としては国内未承認薬による“ドラッグラグ”の解消につながることが期待できます。

ドラッグラグとは、たとえば、欧米では薬として承認されすでに発売しているにもかかわらず、同様の薬が日本においては厚生労働省の認可がおりず、“薬候補”にすぎないという事態が発生します。

薬として使用するためのタイムラグこそが「ドラッグラグ」なのです。

 

よく大病を患った人が治療のための新薬を投与したいと思っていても、その薬が国内未承認薬のために莫大な費用がかかったり、治療のためには海外に行く必要があったりするケースをテレビなどで一度は見たことがあるのではないでしょうか。

国際共同治験はこうした治療におけるタイムラグや、治療環境が整っていれば受けられたなどの機会損失などを最小限にすることが期待されます。

 

また、日本においては治験に関しても安全性や有効性を厳密に調べ上げるため、他国に比べて見認証薬が多い傾向にあります。

医療産業研究所が2008年にリリースしたニュースによると、他国で販売された薬が自国で販売されるまでの平均期間は、米国が1.2年、欧州各国ではほぼ2年以内ですが、日本はなんと4.7年。

このタイムラグが治療の妨げになっているケースがあるという事実はぬぐい去れません。

 

病気に対して不自由なく必要な薬が使えることが理想
 

必要な治療に対して、必要な薬を自身で選択できて少ない負担で服用できることが理想だと言えます。

しかし、現在の日本の治験における制度においてはその実現が難しいのは否めません。

そのため、未承認薬の一日も早い流通を促す策としても国際共同治験の重要性に注目が集まっているのです。

 

効果があるかもしれない薬の存在を認識していながらも、服用できないという事態は非常に歯がゆいものであり、できればゼロにしなければなりません。

すぐに解決できる問題ではありませんが、社会的に協力体制を築いていくことは重要になります。

その一環として、国際共同治験の募集があった場合には積極的な参加が求められます。

それは単に治験による社会貢献の意味合いだけでなく、国内未承認薬の普及活動においても大きな意味を持つからです。

 

「病気に対して不自由なく必要な薬が使える」という一見すると当たり前にも思えることが、実現できていないのが今の日本の現状になります。

この状況を打破するためにも、国民一人ひとりが国際共同治験に対して、もしくは治験そのものに対して理解を深めていくことが大切なのです。

 

 

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