有効成分を含まない薬“プラセボ”を飲むことの意味

【治験上級者向け】

 有効成分を含まない薬“プラセボ”を飲むことの意味

 

[目次]
有効成分を含まない薬“プラセボ”をご存知ですか?
-有効成分を含まない薬“プラセボ”とは?
-プラセボを含んだ治験「プラセボ対照試験」の意義
-プラセボはまさに「病は気から」を証明する存在

 

□有効成分を含まない薬“プラセボ”をご存知ですか?□

治験・臨床試験モニターを募集する「ぺいるーと」が、治験経験が何度もある熟練者の方に向けて応用分野の情報をご紹介します。

今回は「有効成分を含まない薬“プラセボ”を飲むことの意味」を題材にしたコラムです。

治験を何度か経験したことのある方であれば、プラセボという言葉を聞いたことがあるかもしれません。

端的にプラセボとは、有効成分を含まない、つまり治療効果のない薬のことを指します。

 

有効成分を含まない薬“プラセボ”とは?
 

多くの方は薬というものは効果・効能があってこそ、はじめて意味があるとお考えかと思います。

確かに飲んでも効き目がない薬であれば「飲む意味がない」と考えるのは普通だと言えますが、実は有効成分を含まない薬が実在します。

 

それが“プラセボ”です。

 

皆さんは薬を飲むことによって症状が和らいだと感じたことはないでしょうか。

それは実際に薬の有効成分が身体に作用したことが考えられますが、それ以外にも意外と知られていない効果が存在するのです。

それが薬による心理的作用であり、「プラセボ効果」と呼ばれています。

プラセボ効果は薬を服用したという安心感から、「これで症状も良くなる」と思い込むことによって心理面でプラスに作用することです。

 

精神的なストレスが取り除かれることによって、身体の自然治癒力を引き出します。

たとえば、「健康に良いものだよ」と言われている食べ物を口にすると何だか体調が良くなったりした経験はありませんか? 

反対に何も悪い物なんて入っていないのに「食事に毒を盛ったよ」と冗談を伝えられることによって気分が悪くなるような気がした経験をお持ちの方もいるかと思います。

それらはすべて「プラセボ効果」と同様であり、実際の効果・効能とは別の心理的作用によって調子が良くなったり、悪くなったりするのです。

 

プラセボを含んだ治験「プラセボ対照試験」の意義
 

有効成分を含まない薬であるプラセボは、実は治験においても活用されています。

「有効成分がないのだから、そんな薬を投与しても意味ない」と考える方もいるかと思いますが、治験薬の有効性を科学的に証明するためにも重要なことだと言えます。

なぜなら薬本来の効果とは、そうした心理的作用に大きく影響されることなく効力を発揮するものでなければいけないからです。

 

薬を服用することによって、効果があることは言わずもがな当然のことであり、それは医師による診察や面接、カウンセリングや気分転換の散歩や家族との世間話などよりも実質的な効き目がなければならないでしょう。

そのため、薬を摂取した際は、していない時に比べて症状が和らいでいることが求められます。そうした薬の服用時とそうでない時を意識的に作り出すのが「プラセボ対照試験」なのです。

 

「プラセボ対照試験」では、薬の成分を含んだ治験薬そうでないプラセボを見た目では区別がつかないようにします。

そして、誰が治験薬を服用し、片や誰がプラセボを服用しているかを被験者、医師、薬剤師、看護師と関わる担当者の誰もがわからないようにするのです。

そうすることによって、心理面に左右されない薬本来の効果を正確にジャッジすることができるようになります。

プラセボ対照試験を導入することにより、治験で薬の効果について公正な判断を下せるのです。

 

プラセボはまさに「病は気から」を証明する存在
 

有効成分を含まないプラセボを服用した際に、症状が回復する場合もありますが、実は副作用と同様の事象が起きることもあります。

それは、薬による悪影響を懸念して心理面がマイナスに働くことに起因することが想定されます。

治験を通して効果・効能のある薬を開発することはもちろん大切ですが、人間が持つ心理的作用についても無視することはできないと言えるでしょう。

 

俗に言う「病は気から」という言葉がありますが、心理的にプラスに考えられる時は身体に良い効果が現れ、反対にマイナスに考えられる時は悪い効果が出る点は、生物学的に見ても人間の非常に興味深い事象であります。

プラセボはまさに「病は気から」を証明する存在であり、そうした精神面に左右されることなく治験を遂行するためにも、必要なフェイク(偽薬)であると言えるのではないでしょうか。

 

 

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