トップ コラム > 知っておきたい治験用語~「中止」「脱落」の違い~

知っておきたい治験用語~「中止」「脱落」の違い~

【治験上級者向け】

 知っておきたい治験用語~「中止」「脱落」の違い~

 

[目次]
治験用語である「中止」「脱落」の違いを説明します
-治験は被験者の安全が第一に守られなければならない
-治験実施中に起こる「中止」と「脱落」の違い
-治験断念による代償の大きさとは

 

□治験用語である「中止」「脱落」の違いを説明します□

治験・臨床試験モニターを募集する「ぺいるーと」が、治験経験が何度もある熟練者の方に向けて応用分野の情報をご紹介します。

今回は「知っておきたい治験用語である「中止」「脱落」の違い」を題材にしたコラムです。

どちらも実施されている治験が、何らかの理由によって継続できなくなったことを意味しますが、どのような違いがあるのでしょうか。

用語理解のためにもぜひ参考にしていただければ幸いです。

 

治験は被験者の安全が第一に守られなければならない
 

将来的に病院で処方されたり、薬局の店頭に並んだりする新薬を開発するために、治験は欠くことのできない重要な試験の工程に該当します。

そのため、現在、市場に流通している医薬品はすべて治験という工程をすべてクリアした選りすぐりの製品であることを意味しています。

しかし、すべての治験が順調に各フェーズをクリアするとは限りません。時には予定されていた内容が中断されたり、そのまま続行が不可能になったりするケースもあるのです。

 

将来的な医学の進歩や新しい治療方法の確立のためにも、新しい医薬品の開発は今後も力を入れていくべき分野だと言えます。

しかし、新薬の開発ばかりに意識が向いてしまうことで、治験を実施する被験者のことが蔑ろになってしまう事態は避けたいところです。

被験者は率先して新薬開発に協力しているわけであり、社会において多大なる貢献を果たしています。

そのため、被験者の安全の確保は第一に考えなければならないと言えるでしょう。

 

たとえば、治験薬における重大な副作用などが確認された場合は、ただちに治験を中止する必要があります。

日本の治験においてそのような事態が起こりうる可能性は限りなくゼロに近いとは言えますが、被験者の安全の確保のためには治験の中断が決断されることもやむを得ないのです。

 

治験実施中に起こる「中止」と「脱落」の違い
 

新薬の完成を期待されながらも、残念ながら途中で開発を断念せざるを得ないケースも出てきます。

そうしたケースにおいて、治験用語では「中止」と「脱落」の2パターンの呼び方があります。

実施中の治験が何らかの理由で継続できなくなり、取りやめるという点においては双方とも共通していますが、それぞれの意味合いは異なるので区別して使用する必要があります。

 

【治験における「中止」と「脱落」の内容比較】

    中止
(Discontinuation)

治験薬を服用したことによって重い副作用、自覚症状や臨床所見の悪化、合併症の増悪、新たな合併症・偶発症が発生した際に、治験担当医師の判断により、治験の継続を断念することを中止と呼びます。

治験薬自体に何か問題があった場合は、こちらに該当します。

    脱落
   (Drop-Out)

治験実施中に被験者が参加の中止の申し出た場合や、規定された来院日に来院できなかったケース、事故の発生など被験者側の事情によって治験の継続ができなくなった場合に使われるのが脱落です。

これはあくまで被験者側の都合による場合に使用されます。

上記のように同じく治験を断念するケースでも、原因が治験薬にあるのか、それとも被験者側にあるのかによって状況は当然ながら大きく異なります。

製薬会社や担当医師に関しては、中止になる事態はなんとしても避けたいところであり、被験者としては脱落することはなるべくないように責任を持って取り組むことが大切です。

 

治験断念による代償の大きさとは
 

中止にしろ、脱落にしろ、どちらの理由だったとしても途中で治験を断念することになると大きな代償を受けることは間違いがありません。

特に中止の場合は、開発途中の新薬自体に大きな欠陥が見つかった可能性が高いので、事態は非常に深刻です。

最悪のケースでは新薬開発自体を断念しなければならないケースもあります。

 

一方の脱落は中止ほどの影響はないものの、被験者の都合で予定が狂ってしまうのは実にいただけない話です。

治験には多くの人が関わっており、よほどのことがない限りは途中離脱するような事態にはならないようにする必要があるでしょう。

 

新薬を開発するためには150~200億円もの費用がかかると言われています。

そのため、よほどのことがない限り、治験の継続を断念するようなケースは避けたいところです。

治験への参加は社会貢献性が非常に高い崇高な行為ではありますが、その分、決して軽くはない責任を負うことになることを忘れないようにしましょう。

 

 

TOPに戻る

トップに戻る