順序別に紹介する治験・臨床試験の流れ

【治験中級者向け】

 順序別に紹介する治験・臨床試験の流れ

 

[目次]
順序別に紹介する治験・臨床試験の流れ
-治験におけるフェーズとは何か
-フェーズごとの流れ・目的・対象者
-多くの方の協力があってはじめて市販される医薬品

 

□順序別に紹介する治験・臨床試験の流れ□

治験・臨床試験モニターを募集する「ぺいるーと」が、治験についての見識があってよりためになる情報がほしいという方に向けて実践的な情報をご紹介します。

今回は「治験・臨床試験の流れ」を題材にしたコラムです。

治験や臨床試験は「フェーズ」で分かれており、それぞれの段階で対象者の条件や施す処置の内容も異なります。

当コラムではそのプロセスについて詳しくご説明します。

 

治験におけるフェーズとは何か
 

動物を対象とした試験(非臨床試験)を通過した後に人を対象にした試験(治験)を行うのですが、薬の開発ステージによって行う検査内容が異なります。

治験に入院と通院がある理由で簡単にご紹介しましたが、治験には「フェーズ」という段階分けがあります。

それぞれの開発ステージをフェーズごとに分けることで、有効性や安全性の高い調査データを集計することが目的です。

 

フェーズは英語の「phase」で「段階」を意味します。

フェーズⅠとは治験における第1段階、フェーズⅡは第2段階を指します。

治験のフェーズは、薬が世の中に出回る前の3段階と市販された後に行うフェーズⅣの4種類です。

フェーズⅣに関しては治験に含まれないケースもあり、治験のフェーズとしてはときに「+1」にカテゴライズされます。

 

フェーズⅢまでの検査結果を資料として厚生労働省に提出し、審査を通ることで晴れて新薬の誕生です。

新薬候補の開発が始まり、厚生労働省に新薬として認可されるまでは10~15年もの歳月を要します。

私たちが普段服用している薬はすべてフェーズⅢまでの治験を経由し、厚生労働省に認められています。

各段階の厳しい調査をクリアすることによって、私たちは安全に薬を服用することができるのです。

 

フェーズごとの流れ・目的・対象者
 

上記ではフェーズについての概要を説明したので、こちらでは各フェーズの流れや目的、対象者についてもご説明します。

治験は以下の流れに沿って行われます。

フェーズⅠ(第Ⅰ相試験)

【対象者】20歳以上の健康な成人(通常は男性)

【目的】薬による影響を調べて安全性を確認すること(吸収や代謝、排泄など)

【概要】動物実験で確認された安全性を人に対してもチェックし、副作用などの影響がないか調べます。

健康な人を対象としているため、薬の効果については目的としておらず、薬剤が人の身体にどのように吸収され、排泄されるのかという「薬物動態」の確認が主になります。

 

フェーズⅡ(第Ⅱ相試験)

【対象者】薬の効果があるとされる病状の患者(少数)

【目的】薬の用法(投与の仕方:投与回数、投与期間、投与間隔)、用量の調査

【概要】少数の患者に対してフェーズⅠで安全性が確認された用量の範囲で薬剤の投与を行います。

このフェーズでは、対象者が健康な人ではなくなるため、風邪の新薬の場合は、風邪の症状が見られる患者に対して薬を投与します。

次のフェーズ3で実施する際の用法・用量の決定もフェーズⅡの役割です。

 

フェーズⅢ(第Ⅲ相試験)

【対象者】薬の効果があるとされる病状の患者(大勢)

【目的】実際の治療に近い形での効果と安全性を確認。他の薬との比較。

【概要】多数の患者に対して薬剤を投与し、 フェーズⅡよりも詳細な情報を集めて市販の薬や病院で使う薬として認められるデータを集めます。

またこの段階では、すでに承認されて使用されている他の薬とどの点が異なり、どの点が秀でているのかを調査する比較試験を行う場合があります。

 

フェーズⅣ(第Ⅳ相試験)

【対象者】薬の効果があるとされる病状の患者(フェーズⅢよりさらに大勢)

【目的】新たな成分・用法・用量・効能などに加え、フェーズⅢまでに得られなかった副作用の調査。

【概要】厚生労働省によって医薬品として承認され、市販された後に実施する試験です。

一般的に「市販後臨床試験」と呼ばれています。

開発段階で予測しづらい薬と食べ物の相性や、アルコールとの関連性などについても調べます。

 

多くの方の協力があってはじめて市販される医薬品
 

一般に出回っている薬は、3段階の試験を受けた後に厚生労働省から認可され、さらに世の中に流通してからも市販後臨床試験を行っています。

このように多くの試験をクリアすることで、すべての薬が安全で正しい用法、用量で服用することができます。

それも世間一般には知られていないところで、治験協力者が自分の身体を張って検査してくれたおかげなのです。

 

日本の製薬会社は品質が高く、試験段階ですでにかなり精度の高い薬を開発しています。

そのため、治験を行うことがあっても、必要以上に心配しすぎることはありません。

治験は“有償ボランティア”とも呼ばれているだけに、お時間がある際は、世の中のためにも治験を受けてみたらいかがでしょうか。

 

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