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治験への参加における健康成人の基準について

【治験初級者向け】

  治験への参加における健康成人の基準について

 

[目次]
治験への参加対象の基準である健康成人とは
-第一に確認すべきなのは「薬物動態」
-健康成人の具体的な条件とは
-入院治験の対象がほぼ男性の理由とは

 

□治験への参加対象の基準である健康成人とは□

治験・臨床試験モニターを募集する「ぺいるーと」が、治験についての知識がほとんどない・まったくないという方に向けて基礎知識をご案内するコンテンツです。

今回は「治験への参加における健康成人の基準」についてご紹介します。

治験は世の中に医薬品が流通する前にその効果や効能について調べる臨床試験であり、安全性を確認するためにもフェーズⅠ(入院治験)では健康成人を対象にしています。

 

第一に確認すべきなのは「薬物動態」
 

現在、世の中に流通している薬は、新薬開発の過程において厳密な検査を行い、厚生労働省によって安全性や有効性が認められて初めて医薬品として承認されます。

薬の開発ステージは、動物を対象とした非臨床試験を通過すると、次は人を対象とした治験の審査を行い審査が通ると治験が実施されることになります。

 

人を対象とした最初の試験となる治験は健康成人を対象とした入院治験で、フェーズⅠと言われる段階になります(順序別に紹介します~治験・臨床試験の流れ~

では、主に薬剤が人の体内に摂取されたときに身体にどのように吸収され、分布され、代謝され、最後に排泄されるのかを調べます。

 

投与されたすべての薬は「吸収」「分布」「代謝」「排泄」の過程を経るわけであり、この身体の中での工程を「薬物動態」と呼びます。

新薬の治験において人を対象にした際に、第一に確認すべき研究が薬物動態なのです。

 

フェーズⅠでは、薬を人に投与した際に身体の中でどのように吸収から排泄までを辿るのかを確認することが目的であるため、対象としては健康な人が望まれます。

一方、薬の実際の効果や効能、用量を調べる治験の次の段階とも言える「フェーズⅡ・Ⅲ」では、対象治験薬と同じ既往歴をお持ちの方や治療中の患者を対象として治験を実施します。

このように治験の段階によって治験への参加対象者が異なるのです。

 

健康成人の具体的な条件とは
 

治験のフェーズⅠでは、薬物動態を調べることを目的としているため、対象者は健康成人の方となります。

ただ、一口に健康成人と言っても、何を基準に健康を定義しているのかは一般の方にはあまり認知されていません。

しかし、治験を行ううえでの基本的な条件があるので、自身がその基準を満たしているのかをあらかじめチェックしておくことをおすすめします。

 

よくある治験における健康成人の条件の一例

・20歳以上の成人の方

・日本国籍である

・BMIの指数が18.5~25の方

・非喫煙者の方

 

上記は多くの治験において対象となりえますが、基本的に治験へ参加する前は「事前検診」という検診をまず受けてもらいます。

治験参加への第一歩として、身長体重の測定、採血、採尿、血圧などのバイタル測定、医師による問診などを実施し、参加する治験に適合しているかを医療機関や担当医師が判断する検診になります。

 

そのため、「自分は至って健康だ」と自負していても検査結果や担当医師の判断により治験の対象条件に含まれない場合は、残念ながら治験に参加ができないことがあります。

ただし、それぞれの治験の種類によって対象とする人の条件は異なるので、募集条件を確認したうえで応募することが重要になるのです。

 

入院治験の対象がほぼ男性の理由とは
 

治験において必ず対象者が明確になっており、入院治験(フェーズⅠ)においては健康成人の方を対象としていることもおわかりいただけたかと思います。

しかし、女性の入院治験が男性に比べ少ないことにお気づきの方もいるかもしれません。

実際に入院の治験は健康成人の男性を指定しているケースがほとんどです。

 

ではなぜ入院治験(フェーズⅠ)においては女性よりも男性の方が対象として考えられているのでしょうか?                                  

その理由としては、女性は子どもを産む可能性があり、胎児に影響してしまうことを考慮している面があります。

子どもを身籠もる可能性のある女性の母体を危険にさらすリスクを避けているのです。

 

このように入院治験の対象者である健康成人は、さまざまな側面からその基準が定められています。

本人が前向きに治験への参加を検討していても、対象条件と合わずに受けられないということもあります。

晴れて治験に参加した際は、きちんとルールに従った上で参加していただくことが自身の健康のためにも、新薬の開発のためにもなるのです。

 

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