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治験への理解が深まる新薬開発の流れ

【治験初級者向け】

 治験への理解が深まる新薬開発の流れについて

 

[目次]
新薬開発の流れを把握によってわかる治験の意味合い
-知られていない新薬開発までの長い道のり
-新薬開発が流通するまでの流れ
-改めて実感する治験の安全性と意義

 

□新薬開発の流れを把握によってわかる治験の意味合い□

治験・臨床試験モニターを募集する「ぺいるーと」が、治験についての知識がほとんどない・まったくないという方に向けて基礎知識をご紹介します。

今回は「治験への理解が深まる新薬開発の流れ」を題材にしたコラムです。

薬の安全性や有効性を確かめるための有償ボランティアとして行われる治験ですが、その前にさまざまな過程を経ていることはあまり知られていません。

治験への理解度を高めるためにも、新薬開発の流れについて把握しておきましょう。

 

知られていない新薬開発までの長い道のり
 

厚生労働省「薬事工業生産動態統計調査」平成27年度によると、日本の医薬品の生産額は6兆8204億円であり、国内の製薬産業は非常に巨大です。

そして、日本の新薬開発力はアメリカ・イギリスに次ぐ世界第3位の実力を誇っており、世の中に普及するために日々、多くの新薬の研究が続けられています。

 

この実績だけを見れば日本では新薬が量産されているように思えますが、実態は異なります。

治験施設支援機関である日本SMO協会によると、日本では年間で約40~50種類の新薬が誕生しているとされています。

「もっと開発されているかと思った」という感想を持たれる方もいるかもしれませんが、実は新薬として発売されるまでにかなりの長い道のりを経てきており、40~50種類は”選りすぐりの新薬“であることはあまり知られていません。

 

新薬の開発には10~18年の期間、200~300億円の費用がかかるといわれています。

しかも、巨額の費用をかけて医薬品メーカーが開発を行っていたにもかかわらず、選考過程でふるいに落とされてしまうケースはざらだといえるでしょう。

厳しい選抜をすべてパスして最終的に厚生労働省に新薬として製造・販売の認可が下りてはじめて一般的に流通しています。

その中の過程の一つとして人を対象にして行われる試験が治験なのです。

 

新薬開発が流通するまでの流れ
 

新薬開発のために多くの方が有償ボランティアとして参加している治験ですが、10年以上かけて進める新薬開発の大きな流れで考えると、ほんの一工程にすぎません。

治験のことをより深く理解するためにも、まずは新薬開発全体の流れを把握しましょう。

新薬開発は以下の流れに沿って行われます。

STEP1 基礎研究

病気の治療に効果的な成分・化合物の発見や候補物質のスクリーニングを行うことを「基礎研究」と呼びます。

この段階はまったく未知の領域からの研究となるため、かなり骨の折れる作業が続きます。

たとえば、将来的に薬となる可能性がある化合物を植物や化学物質、微生物などから探したり、病気の改善につなげるために人間の体内のメカニズムを研究したりするなどの作業が該当します。

 

STEP2 非臨床試験

化合物の有効性や安全性を確認するための生物学的試験研究が「非臨床試験」です。

基礎研究で新薬に使用できる可能性があると判断された成分を動物や培養細胞に投与することで、その影響範囲を調べます。

薬の効果を確認する「薬理試験」、体内で吸収・分布・代謝・排泄を観察する「薬物動態試験」、毒性があるかどうかを調べる「毒性試験」の3つの試験を約3~5年かけて行います。

 

STEP3 臨床試験

動物や培養細胞による非臨床試験をクリアし、次のステップとして人間を対象に化合物の安全性や有効性を確かめるのが「臨床試験」です。

新薬開発における人間に対する臨床試験のことを治験と呼びます。

~治験・臨床試験の流れ~のコラムで紹介したように薬による影響を調べて安全性を確認する「フェーズⅠ」、薬の用法、用量の調査に該当する「フェーズⅡ」、実際の治療に近い形での効果と安全性を確認する「フェーズⅢ」と3つのフェーズをクリアする必要があります。

この3段階の試験が完了するまで約3~7年の時間を要するのが一般的です。

 

STEP4  承認申請・製造販売

ステップ3までの研究を経て安全性や有効性などが確認された場合は、厚生労働省へ製造承認申請を行います。

そこで認可されてはじめて製造販売が可能になります。最終ステップにおいても1~2年の歳月を要します。

 

改めて実感する治験の安全性と意義
 

上記のように新薬開発は長い年月と多くの労力、そしてたくさんの人の有償ボランティアによる協力があってこそ実現できるのです。

ステップ3の臨床試験まで実に多くの研究を行っており、治験にご協力していただく際には安全性がかなり高いレベルで実証されているのです。

 

「治験には興味あるけど、体に悪影響はないかな?」と心配している方も、治験に至るまでの工程をきちんと把握することで必要以上に不安になることもないでしょう。

また、新薬を開発するまでに10~18年の期間と200~300億円の費用がかかることを知っておけば、より「自分が治験を行うことで新薬開発の役に立つ」ということを意識できるのではないでしょうか。

 

社会貢献としての意味合いを理解することで、より治験に積極的に参加できるようになるはずです。

少しでも治験に興味を持っているという方は、治験が何のために行われているのかをもう一度整理しましょう。

そうすることで治験によって世の中の役に立てることを実感できるでしょう。

 

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